
出典:ガンバライジング公式様
総合戦闘力

スペック
アサルトウルフ | |
パンチの威力 | 25.7t |
キック威力 | 57.8t |
ジャンプの高さ | 32.4m |
100m走のタイム | 2秒 |
引用:テレビ朝日公式
基本情報
仮面ライダーバルカンの中間フォームです。アサルトは「強襲」を意味し、「怒り」を原動力とした変身者に相応しいネーミングのライダーでしょう。それこそバルカンは最終的に「夢」をテーマに人間として成長していきますが、初期の「怒りを体現した形態」としては、このアサルトウルフが最終形態とも捉えられるでしょうか。
その「怒り」とは決して闇堕ち的な意味合いではなく「幼少期のトラウマを乗り越えるため」に自身を奮い立たせる感情として表現されており、良い意味でバルカンの人間味を感じさせる特徴でもあります。
個人的な妄想ですが、絶望的な戦況で逃げ出さないのは「使命感」によるものだけど、その使命感を投げ出さない理由は「トラウマを植え付けた存在に負けてはならないという意地」であり、この意地を「怒り」として表現しているのではないでしょうか。
実態としてバルカンは熱心に人助けをする戦士ですが、素直に「誰かを救う使命感である」とは言わずに内省的な怒りを動機とする事で、敵と戦う行為を自己完結化するところが「狼たるバルカン」らしいと感じます。
良く言えば「恩着せがましくない」戦士であり、命を救った相手に感謝されても「これは俺自身の問題だから別に気に感謝しなくて良いぞ」と言ってくれるような、一匹狼らしい優しさとも解釈出来ると思っています。
そんな自身の根幹とも言える「怒り」を信条に戦うバルカンですが、身体に鞭を打つかのような無理をしてしまう場面が目立ちます。この「アサルトウルフ」もまさにその一つで、人間による使用を想定していない変身アイテムであるが故に、多大な肉体的ダメージを負ってしまいます。
一時は変身後に吐血をすることもあり、死亡リスクも指摘されました。それでも激化する戦いに対応するには力が必要であり、リスクを承知で変身するバルカンからは「自分の怒りに命を懸ける覚悟」を感じさせられます。
戦績こそ地味な存在ではありますが、変身者が折りに触れて口にする「怒り」が一時の感情に左右されたものではなく、彼の心を支える「信念」であることを示した、ファン心理を刺激する「デメリット付き」フォームと言えるでしょう。
強さ解説
「命を懸けたデメリット付き」という割には非常に地味な印象です。確かに初期フォームと比べて全ての基本スペックが上昇しており、ゴツい見た目からして非常に強そうです。ただしパンチの火力に関しては、バルカン真の基本フォームと名高い「パンチングコング」に大きく劣ります。
もちろん全体的なバランスはアサルトウルフが優れていますが、吐血までした割に合う強化幅かというと首を傾げてしまうのも事実です。
何より特殊能力と言えるものが殆どなく、基本的には格闘+小型銃のシンプルな攻撃手段です。同時期に登場したデメリット持ちの「シャイニングホッパー」は「敵を予測演算で先読みし高速移動」が可能な上に「デメリットも単なる疲労」という具合であるのも相まって、アサルトウルフの「コスパの悪さ」が際立ってしまう側面もあったでしょうか。
一応は上半身の装甲から小型ミサイルを発射する事が可能ですが、これも敵が発生させた強風によって対処される程度の弾速であり、決定力は全く期待できません。
基礎スペック自体はそれなりに高いですが、素直すぎる性能ゆえに「格上相手への対処力」はありませんし、格下相手でも自身の活動限界の問題によって敗北するリスクを秘めた存在であるため、安定感があるとも言えません。強さという観点で見ると中々に厳しいです。
うっかり現場に赴いた場合の行動マニュアル
・敵は一般的な怪人(シリーズ序盤の敵くらいの強さ)で、変身した時点で対峙している想定。
- 変身アイテムをこじ開けない。
- バルキリーに戦闘を任せる。
- 自分は撤退。
バルキリー「そのアイテムは危険だ。変身は許可できない(建前)」
バルカン「う~ん、ちょっと今日は鍵が開かないわ。あとは任せた。」
バルキリー「え?(戦闘データが取れない…)」
有利な敵
仮面ライダーゼロノス(ゼロフォーム)
バルカンは中間フォームではありますが、普通に歴代2号ライダー最強フォームと渡り合える水準の基礎スペックを有しています。特にゼロノスは基礎スペックが非常に低く、武器のデネビックバスターの火力もそこまで高くなさそうに見えますし、シンプルな性能のバルカンでも短期決戦でゴリ押しできそうな雰囲気はあります。
仮面ライダーイクサ(1986年)
こちらはバルカン以上に変身のリスクが大きいライダーです。バルカンの変身リスクは「人間が変身した場合」に発生するものですが、イクサは「怪人等の種族であっても」ダメージが発生するため、長期戦のリスクはイクサの方が大きく不利です。
また戦術も1986年時点では必殺パンチくらいしか目立つものがなく、特殊な能力を持たないバルカンであっても比較的戦いやすい相手ではあるでしょうか。
不利な敵
仮面ライダーダブル(サイクロントリガー)
アサルトウルフは単純な格闘の他に、身体から小型ミサイルを発射出来ますが、敵が発生させた強風により不発で終わっています。サイクロントリガーはまさに風圧を利用した空間制圧能力に長けた形態であり、ピンポイントで風を発生させる弾丸でバルカンの技に対処してくるでしょう。
もっともサイクロントリガーの火力は控えめであり、アサルトウルフを倒し切るには至らない可能性もあります。ただサイクロンメモリには「スタミナ回復効果」があり非常に持久戦向きなフォームでもあるため、勝負を急ぐことが要求されるバルカンは不利でしょう。
仮面ライダーフォーゼ(ベースステイツ)
こちらもバルカンには基礎スペックで大幅に劣りますが、非常に能力が幅広いです。決定力のある攻撃手段に溢れている訳では無いですが、太陽拳による目眩しやロケットによる飛行、その他凍結能力など、敵を翻弄する手段が多いです。
こちらもダブルと同様にバルカンの制限時間を待つ戦法で有用な存在です。
ベストパートナー
仮面ライダーG4
「自らの信念のために死を覚悟する」ライダーです。両者ともに「怪人に襲われて手も足も出なかった屈辱」を味わった過去を持った存在であり、その屈辱を自らの信念として昇華する事で「死のリスク」すらも恐れない精神性を有します。
ただしバルカンは「信念を守るために死のリスクを背負う」のに対し、G4は「死のリスクを背負うから信念を守れる」という思想で、似てはいますが微妙に異なる内容です。
それが「自分だけが死を背負う責任感あるヒーロー」としてのバルカンと「死を他人にも強引に押し付けて大義に支配された狂気」としてのG4という違いを結果的に生んだ要因でしょうか。
「覚悟の決め方」に大きな違いがあった二人ですが、元々は正義の心を持っていた事は間違いなく、バルカンのように自らの意思一つでマシンの限界を越えようとする姿勢は、氷川さん以上にG4を改心させる可能性があったかもしれません。
バイオライダー
まさに「怒りの王子」です。お互いに青いですし。強さは流石に大きな隔たりがありますし、戦法も全く異なりますが、怒りが原動力で熱血なライダーという意味では似ているでしょうか。
仮面ライダーシリーズでは敵の非行に怒りを燃やすヒーローが頻出されますが「怒りこそが原動力」というキャラは意外と少ないイメージです。
これは「復讐を動機としたライダー」とも微妙に異なる性質だと個人的には思っていて、決してネガティブな「怒り」に留まらない、正義の心を燃やす「アツさ」としての「悪に対する怒り」として勇ましく描写されるものではないでしょうか。
強い?弱い?
基礎スペックに関してはそれなりに高い水準であり、平成ライダー最強フォームクラスとも張り合える水準にはあります。ただし他ライダーをそれぞれ象徴するような特殊な能力は持っておらず、没個性的な戦法に頼らざるを得ません。
その上で自壊ダメージのある性能で、長期戦適性もありません。格上を倒し得る可能性を秘めた特殊性がない上に、自身の弱点によって格下を倒しきれない・逆転されるリスクを拭えないのは厳しいと言わざるを得ないでしょう。
最大出力こそは並のライダーを大きく越える優れた水準ではありますが「安定した強さ」という観点では手放しに強いとは言えず、総合的には「標準的な強さ」に落ち着くと思います。
コメント