
出典:ガンバライジング公式様
総合戦闘力

スペック
アークワン | |
パンチの威力 | 54.2t |
キック威力 | 104.4t |
ジャンプの高さ | 93.6m |
100m走のタイム | 0.6秒 |
引用:テレビ朝日公式
基本情報
『仮面ライダーゼロワン』の最終盤に突如出現し、その正体が主人公自身だったという衝撃を与えたライダーです。とにかく登場タイミングが全45話中の第42話という局面であり、下手したら「主人公がラスボスになるのではないか」という疑惑を噴出させました。
誕生の経緯をザックリまとめると「自身の秘書を殺された」ことに対する「復讐心」に取り憑かれた、というものです。もっとも秘書とはAiロボットなので「代替機を用意すること」は可能でしたが、機密情報を扱うAiである都合によりバックアップデータが存在せず「初期化された状態」での復元しか出来ない状況でした。
『ゼロワン』という作品は「Aiロボットを壊されてはデータごと復元して解決」という展開が非常に多く、見方によっては「命の価値が軽い」作風でした。しかし秘書であるイズに関しては復元ができず、加えて最も身近な存在だったことから、主人公の心をドン底まで叩き落とします。
それまで能天気で明るい性格だった主人公が「自らの意思で復讐を遂行」しようとする姿は大変ショッキングなものであり、なんとそのまま最終話まで突入してしまう展開となりました。
ラストバトルこそ最終的に「リアライジングホッパー」への進化&原点回帰となりましたが、スペック上は最強の「ゼロツー」を差し置いて「アークワン」を選択したのは彼の強い怒りを表現しているのだと感じます。
令和第1作目として
『ゼロワン』は令和ライダーの幕開けともいえる時代の転換点を担った作品であり、比較対象としては平成1作目の『クウガ』が第一に思い浮かびます。ラスボスとの戦いが一対一の決闘である点はもちろん、自身の能力が敵側に近づいていく点や、アークワン克服後ですが殴り合いのシーンで変身者のカットが入るなど意識はされていそうです。
クウガの「アルティメットフォーム」は闇堕ちを前提とした形態であり、通常は目の色が黒になります。事実として物語後半の「怪人による極悪非道な非行」を目の当たりにした際は怒りに我を忘れて黒い目になりかけています。しかし変身者の凄まじい精神力ゆえに悪意に支配されない例外的な「赤い目の姿」になったという経緯です。
クウガが負の感情に堕ちなかった存在だとすれば、ゼロワンは負の感情から抜け出した存在として描かれていたように思います。やはり主人公が「暴走以外で」危険な存在になるケースは非常に少なく、また「味方に危害は加えないけど敵は絶対に殺す」という一概には否定できない行動でした。
個人的にアークワンのデザインや鬼気迫る或人社長が大好きですが、描き方は「少し雑じゃないか?」とは思っています。イズの仇打ちに燃えるのは良いんですけど、リアライジングホッパーへの回帰がフワッとし過ぎだと思うんですよね。
或人の父親が突然出てきて「本当の強さ」について諭すシーンがありましたが、本当に僅かな時間で内容としても抽象的なんです。「悪意を持つこと」が真の敵だとする展開になりましたが、これは同時に「イズを殺した敵への復讐」も悪だということになります。
個人的にはここに強い違和感がありまして、復讐心には「失われた者に対する想いの強さ」という側面があるにも関わらず「それは新たな悪意を生むだけだから捨てましょうね」というのは間違ってはいないんだけど人間味がないなって。
さらに全く異なる人格とは言え「同じ見た目の2代目イズ」がラストに登場した事で、追い討ち的に「善意と平和>ロボットの命」を突き付けてきた印象を受けました。1年を通して復元可能だと分かっていても破壊されないように奔走した主人公が、なんかアッサリと大義のために2度と戻らない秘書のことが吹っ切れた、というギャップが違和感の正体かもしれません。
しかも悪意を脱する手段が「アークのベルト破壊」であり、本来は或人自身の意思で復讐をしているはずなのに「まるでアイテムに取り憑かれただけ」のように見えてしまったのも悲しいポイントです。
もちろん最終的な着地点としてはこれで良かったのかもしれません。ただその過程が急すぎたのが惜しいです。そうなると脳裏にチラつくのが某1000%でありまして、あんなにダラダラとズタズタな白スーツを繰り返すならアークワンを丁寧に描いてくれよと言いたいところです。
強さ解説
悪の集合知であるデータに接続したゼロワンであり、敵を分析・予測した先回り攻撃に加えて非常に高い基礎スペックを誇ります。キック力も当然のように100t越え、100mも1秒切りといったバケモノっぷりであり、相当に強そうに見えた映像描写以上の力を秘めています。
加えて実質的に「てんこ盛りフォーム」の要素も持っており、他フォームの武器を召喚し能力も扱う事ができます。すべてのフォームに対応しているかは不明ですが少なくとも「メタルクラスタホッパー」の能力使用が確認されており、1番使いたいやつが使えるのは偉いです。
単純な強さ自体は「ゼロツー」に劣る可能性が高いですが、こちらは実質的なハッキングが可能という点が強みです。例えばバルカンやバルキリーには脳内に変身用のチップが埋められていますが、これらに触れる事なくデータを消去しています。
先読み能力自体も非常に優れた水準である事は間違いなく、銃弾をノールックで避けるのはもちろん、背後からの電撃攻撃も回避する精度の高さです。加えて他フォームで見られる自壊ダメージ等のデメリットもありませんから短期戦に限定されない強さも期待できます。
戦闘描写自体が少なめであり、どちらかというと変身者の精神面にフォーカスを向けたキャラですから強さが分かりにくい側面は否めませんが、少なくとも「意図的に手を抜かない限りは無敗だった」ことや、下位互換であるアークゼロが「メタルクラスタホッパーとサウザーが協力してやっと倒せる強さだった」ことを踏まえると非常に高い戦闘力を有することは間違いありません。
うっかり変身した場合の戦闘マニュアル
・敵は一般的な怪人(シリーズ序盤の敵くらいの強さ)で、変身した時点で対峙している想定。
- 初手で必殺技の衝撃波で範囲攻撃を仕掛ける。
- 敵が怯んだ隙にメタルクラスタの剣を突き刺す。
- 大量のバッタに敵の目を狙わせる。
- 視力を失った敵に必殺キックをお見舞いする。
アークワンの必殺技には10段階ありまして①で発動すのがレベル5の必殺技、④で発動するのがレベル10になります。レベル5の時点で周囲にいた他ライダー4人を変身解除に追い込む破壊力です。非常に便利なので先制攻撃に採用します。
あとは最高出力の必殺キックを確実に命中させる段取りとなります。やはりメタルクラスタの能力が便利過ぎるので、こちらで敵の目でも潰しておけば良いでしょう。あとは好きなように料理するだけです。
有利な敵
仮面ライダー龍玄(ヨモツへグリアームズ)
同じく悪意に支配された闇堕ちライダーです。こちらも洗脳等の事情がある訳でなく「後戻りできなくなった自らの意思」で戦う者となります。ただし龍玄は愛する者を失って戦意喪失したのに対し、アークワンは失ってから復讐で覚醒したタイプです。
似てはいますが覚悟の決まり方に歴然とした差がありますし、性能面でもデメリットのないアークワンに対して寿命を削る龍玄では有利不利が明確すぎます。アークワン側は基本的に無関係の存在に危害を加えませんが、龍玄の陰湿すぎる行動が逆鱗に触れてしまう可能性はありそうです。
仮面ライダー龍騎(サバイブ)
アークワンの戦闘力が高いことは散々と語りましたが、加えて「悪意は拡散する」という性質も厄介です。あくまで物語上の比喩に過ぎないかもしれませんが「アークの力は量産型であるかのような描写」があり、誰でも闇堕ちし得るとされています。
この理論を採用すると、悪意に満ちたアークワンと戦闘する相手も悪意に蝕まれていく可能性が出てくる訳です。では歴代ライダーで「腹黒いヤベーヤツは誰か」と考えた時に思い浮かぶのが龍騎なんですよね。
まさにリュウガというダークライダーが存在する訳ですが、これは龍騎の「心の闇を映し出した存在」と言える者であり、リュウガの存在が強くなりすぎると龍騎の存在が飲み込まれてしまうリスクが出てきます。まぁリュウガと敵対する可能性は置いといても「龍騎に勝つ」という命題は達成しやすいのではないかと思います。
不利な敵
仮面ライダーオーズ(タトバコンボ)
初登場時点で既に心が壊れている存在です。少なくとも悪意というアプローチで闇堕ちさせる事は難しいと思います。なんなら悪意に支配されたアークワンに対して「彼を悪意から救い出す力が欲しい」という底なしの欲望がオーズを駆り立てる可能性があります。
それこそオーズ最終話の序盤で「大量のセルメダルを吸収した人外」として圧倒的な強さを見せつけたタトバコンボですが、必要であればそれ以上のメダル吸収も厭わない恐ろしさがあります。
自らの暴走や死ぬリスクに無関心なオーズですので「相手が苦しんでいる」「力が必要」という条件が揃ってしまうと、悪意の付け入る隙すらない貪欲さを発揮して問題を解決してしまいそうな気がします。
仮面ライダーウィザード(インフィニティースタイル)
こちらは精神汚染に真っ向から立ち向かえる存在でしょう。彼自身も身近なヒロインを失っており、死後まで傷跡を抉られる仕打ちを受けていますが立ち直っています。少なくともウィザードの精神を崩壊させる要素は「彼の心の中に置いてきた」状況ですし、曰く「俺の希望が溢れる心の世界で、俺が負けるわけがない」ですので闇堕ち耐性は非常に高いです。
逆にウィザード側からアークワンの精神世界に入り込んで、彼の心を絶望させる要素を取り払うアプローチも可能です。まぁ或人社長のファントムとか、とんでもないやつを飼っていそうですが何とかなるでしょう。
加えてアークワンが得意とするハッキングですが、流石に魔法相手には効果が見込めない点も追い風です。
ベストパートナー
仮面ライダーコア
人類の悪意のデータと一体化した存在がアークワンだとすれば、コアは悪意のデータそのものといった存在です。アークワンは闇堕ちとはいえど葛藤する場面はあるわけで、最終決戦では「自ら敗北することで悪意から解放される」ことを望んでいました。
が、コアは悪意そのものですから、そんな粋な事はしません。むしろ悪意の素晴らしさを説いて闇堕ちを正当化させるくらいはしてきそうです。そもそも「復讐心を持つ事自体」は一概に間違えている訳でもないので、上手いこと唆せるかもしれません。
仮面ライダーG4(死後)
アークワンの存在は闇堕ちしていることを前提としており、自身の悪意に疑念を抱かない事が最重要です。実際に多くの仲間たちに足止めされる中で「機械にも心がある」という結論に達し、ゼロワンとして再起する道を選びます。
逆に言えば共に行動する仲間が「完全に意思を持たない機械」であれば、そもそも変身者が葛藤する余地もないのではないか、という事です。変身者の死後も活動するG4は無機質な存在そのものですが、葛藤する或人を虚無に陥れそうです。
或人「俺はもう後戻りできない…!」
G4「…」
或人「ただイズが大切なだけなのに…!」
G4「…」
或人「俺はどうすれば良いんだ…」
G4「…」
或人「俺の話聞いてる?」
G4「…」(絶命)
或人「もう良いや」
強い?弱い?
ゼロツーの高速移動のような「分かりやすい強さ」は控えめでしたが、他多くの強キャラよりも格上であることは間違いなく、純粋に優れたスペックに予測演算等の特殊能力まで搭載した非常に強いライダーです。
単純な戦闘面で強いに留まらず「悪意が拡散される性質」を加味すると、まさに悪意を武器に戦うアークワンは他の戦士を闇堕ちに引き摺り込む可能性もありますし、さらに機械に対するハッキングもあれば「敵の異常化・無力化」を狙う能力も豊富です。
唐突に登場した印象があるライダーではありますが、主人公が自らの意思で変身した「戦意を示す一つの形」としては十分に格のある存在であり、それに見合った強さである事に疑いの余地はないでしょう。
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