
出典:ガンバライジング公式様
総合戦闘力

スペック
引用:仮面ライダー図鑑
強さ解説
火力
平成一期のライダー全般に言える事ですが、実数値は非常に低く設定されています。
必殺火力も「17t」と明示されてしまっており「もしかしたら龍騎みたいなパターンかも…?」という希望も抱きにくいです。
一応は必殺パンチに「毒針による貫通・毒ダメージ」を期待する事も出来ますが、本編での戦績が微妙だったことを踏まえると過剰に期待して良い性能ではないと思います。
また攻撃手段が格闘に限定されているにも関わらず、打撃実数値がドレイクに劣り気味なのも印象が悪いです。
汎用性
攻撃手段の豊富さに関しては厳しい部類だと思います。
近接戦で武器も所持していないため、拳一つで戦わなければなりません。良くも悪くも「変身者によって実力が大きくブレる」性能ではないでしょうか。
ただし「クロックアップ」による超スピード攻撃に関しては高い汎用性が認められると思います。
近年では対抗手段や攻略法も増えてきてはいますが、やはり多くの敵に対して優位に作用する攻撃手段です。
機動力
言うまでもなく「クロックアップ」による超高速移動が可能です。
後のシリーズで対抗手段や類似能力が多く登場しているため、一概に「クロックアップが最強で最速」とは言えない時代になりつつありますが、強い事に間違いはないです。
『カブト』という作品のアイデンティティと言える要素であり、跳躍力等を踏まえるとやや甘い採点になりますが25点とします。
「クロックアップ」に関しては「単なる高速移動」として考えるか「時の流れを操る等の特殊能力」として考えるかは難しいところです。
特殊能力
最大の強みである「クロックアップ」は制限時間がありますが、連続使用が可能です(同一能力を持つカブトが第3話で実践してた)。
また「キャストオフ」「プットオン」によって「身軽なスピード型」と「打たれ強いパワー型」を使い分けられる点も便利です。
特にプットオンに関しては「腕だけ部分的にマスクドフォームにする」といった応用も可能であり、瞬時に切り替えられる点は高く評価したいです。
そして地味に強いと思うのが「超スピードの敵を目視できる」という設定です。「自身が超スピード状態でなくとも視認可能」な点は素直に優秀と言えます。
ただし肝心の「ザビーゼクター」が中々に薄情な性格をしており「必殺技の発動中に変身者を見捨てて変身解除」という残念な仕打ちをしています。
クロックアップ等は強いですが、意思を持った変身アイテムによって「変身が安定しない」点は中々に厳しいです。
強い?弱い?
それなりに強い要素はあると思います。
やはり「クロックアップ」がある以上は一定の強さは担保されていると言えるでしょう。
一方でザビーの場合、それ以上の付加価値を見出しにくい点は否めないです。
結局「クロックアップ」や「プットオン」は同作に登場する大半のライダーと共通する要素であり「ザビー独自の強さ」とは言えません。
ザビー独自の個性は「手首に装着された毒針」くらいであり、銃や剣といった分かりやすい武器と比べて扱いづらく戦略の幅も狭そうな印象があります。
戦績については雑魚狩りこそ定期的にしていた印象ですが、ボス格を倒すことは殆ど無かったです。
同列に語られがちなドレイクとサソードですが、前者はウカワーム撃破、後者は自身が最強格のワームという要素があり、そういった要素がないザビーは中々に地味です。
ただし他ライダーと比べて劇的に弱いかと言うとそうでもなくて、タイマンバトルなら基本的に互角程度の戦いを繰り広げていた印象です。
どうしても「影山ザビー」は弱い印象がありますが、他ライダーにタイマンで一方的にボコられる展開はそれほど多くはないです。
逆に敵を倒し切れない場面がとても多く「わざわざ超近接の毒針パンチを命中させたのに微妙な殺傷力」というのが印象を悪くしている気がします。
「設定上の要素は普通に強そう」「実際の活躍を見ると微妙」という具合のキャラであり、総合的に考えると「標準的な強さ」という結論に落ち着くんじゃないかと思います。
個人的には「コーカサス」の変身者である「黒崎一誠」がザビーになったらアホほど強いんじゃないかと思っています。
うっかり変身した場合の戦闘マニュアル
・敵は一般的な怪人(シリーズ序盤の敵くらいの強さ)で、変身した時点で対峙している想定。
- マスクドフォームで突進
- 急接近した状態でキャストオフ、敵を吹き飛ばす
- 瞬時にプットオン
- また接近しキャストオフを心ゆくまで繰り返す
- 敵が瀕死になったらクロックアップ
- 制限時間の許す限り毒針でブスブス刺しまくる、勝利
ザビーには武器がなく、基本的に格闘戦を余儀なくされます。
一見すると「クロックアップ」を初手から使えば手っ取り早い印象を受けますが、制限時間内に倒し切れなかったら最悪です。
クロックアップは連続使用も可能ですが、個人的に「防御の薄いライダーフォーム状態で敵に接近したくない」という意向があります。
敵への接近を避けられないのであればせめてマスクドフォームで防御を固めたいです。
またキャストオフの際に自身の装甲を飛ばす事ができますが、この際の初速は秒速2000m、時速にして7200kmです。
実際にキャストオフの破片で雑魚怪人を撃破する描写もありますが時速7200kmなら納得です。
これを繰り返し敵に命中させる事で蓄積ダメージを狙い、自身は安全に立ち回る事ができます。
ある程度弱ってきたら適当にライダースティングで良いでしょう。
有利な敵
仮面ライダーアクセルトライアル
10秒間だけ超スピードで動けるライダーです。
クロックアップとは異なるシステムでしょうが、近年の「スピードキャラ対決」の描写から類推するにアクセル側もザビーと同じ土俵で戦う事はできると考えます。
お互いに身軽な状態で高速バトルを展開する点では互角ですが、ザビーに関しては「プットオン」によって戦闘スタイルを切り替えることができます。
アクセルの場合は瞬時に防御力を高める術がなく、戦略の幅という観点からザビーに軍配が上がるのではないでしょうか。
仮面ライダービルド(ラビットタンクスパークリング)
こちらも超スピードキャラです。制限時間タイプではなく「自身の周囲に出現する泡が破裂する際に超スピードに加速」という特殊な仕組みになります。
ビルドの場合は中間形態でもあり、防御力もそれなりに高いです。彼を倒すには「超スピードの発動を回避しつつ一方的に殴る」方法が要求されると思います。
そうなると「泡」は破りたくないですよね。例えば「ドレイク」のような銃ライダーだと射程内に入り込んだ泡を破ってしまうリスクがあります。
その点でザビーは超近接での毒針パンチであり、接近にさえ成功すれば泡を破ることなく必殺技の直撃を狙う事ができると考えます。
不利な敵
仮面ライダーアギト(フレイムフォーム)
超感覚の剣士です。自ら積極的に動くタイプではなく、自身に向かってくる敵を一撃必殺のカウンターで斬り伏せる戦闘スタイルです。
超感覚の戦士としては「ペガサスフォーム」のクウガが存在しますが、クロックアップ中の怪人を見抜いて撃ち殺す活躍が『ディケイド』にて確認されています。
ザビーの場合はどうしても攻撃に際して「接近」が要求されますので、アギト側に反撃の機会を与えてしまいます。
ザビーのボディは5000度の高熱に耐えられる優秀なシロモノですが、アギトの炎は7000度に到達してしまうので、やはり1枚上の印象です。
仮面ライダーオーズ(タジャドルコンボ)
超スピードで行動できるザビーですが飛行能力・遠距離への攻撃手段を有しません。
上空から一方的に攻撃を仕掛けられてしまうと厳しい状況に陥ると考えられます。
因みに現実の自然界では猛禽類である「ハチクマ」という鳥がスズメバチの天敵として恐れられています。
同じ猛禽類である「鷹」をモチーフとしたタジャドルコンボに対してザビーゼクターが拒否反応を示すかもしれません。
相方との絆を象徴する姿であるオーズを前に「天敵に似てるから」という理由でサッサと変身を解除して逃亡するザビーゼクターは割とあり得そうな気がしてなりません。
適性の高そうな変身者
大道克己(仮面ライダーエターナル)
変身アイテムにガチ恋された存在として名高いです。
本来は赤く染まるはずのアイテムをNTRした後に自分色に染めちゃうくらいですから…。
「恋する女が好きな男の色に染まる」を体現した男と言えます。
エターナルメモリとの出会いなんて実質的に「初対面での一目惚れ」みたいなもんですよね。
加頭順の立場としては「一緒にデートしていた彼女が、偶然すれ違ったイケメンにガチ惚れし勢いでフラれた」感じであり脳破壊待ったなしです。
大道克己はやや強引な側面もありますが、無理矢理されちゃった三島に対して満更でもない様子のザビーゼクターとしては丁度良さそうではあります。
刃唯阿(仮面ライダーバルキリー)
個人的に見てみたい変身者です。ていうか「女性版ザビー」を見てみたい!やっぱり「女王蜂」のイメージがあるので!
バルキリー自体も「スピード型の基本形態」「飛行型のハチ形態」を有するライダーであり、ザビーの能力を上手く扱えそうではあります。
またザビーゼクターは「変身者の強さ」の他に「組織のリーダーとしての資質」を重視している様子が見受けられます。
その点でも「AIMS」という特殊部隊の隊長として活躍する彼女は高適性ではないでしょうか。
まぁ1000%による支配に屈服している時期はザビーゼクターに見捨てられるでしょうが、後になってゼクター側から復縁を要求してくるケースもあるので何とかなるでしょう。
ザビーに見る日本の婚活事情
ザビーへの変身に必要な「ザビーゼクター」は喋りはしないものの「キバット」や「ゴチゾウ」のような意思を持った存在です。
他の虫型ゼクターは変身者に従順ですが、スズメバチ型のコイツだけは変身者を取っ替え引っ替えしており、その変身者は4人に及びます。
そんな経緯から「尻軽」などと揶揄されがちな存在であり、あまり良い印象はないかもしれません。
当初の変身者である「矢車」は結構な逸材だった思うんですよね。完璧主義を徹底するあまり「少々の失敗や挫折」で一気に動揺してしまったのであって。
部隊長にも関わらず、自身のプライドのために隊員の命を見殺しにしてカブト打倒を優先したのは確かに残念でしたが、それだけで「私の変身者として相応しくない」と見捨てたザビーゼクターも薄情すぎると思います。
カブトだって「ワームなら全員倒せ」と言いつつ「妹はワームでも特別なんだ!」「妹のためなら世界を敵に回して自分も死ぬ」という具合であり、それなりに軸やメンタルは揺らいでいる印象です。
それこそサソードなんて本当に変身者として相応しい人材なのか?という疑問もありますし。
もちろん各ゼクターによって相性は違うのでしょうが「矢車を振る」はちょっと選り好みし過ぎな印象であり「もうちょっと寄り添ってやれよ」とは感じます。
パートナーの悪い所を見つけたら速攻で新しい男を見つけに行く姿勢は、露骨に上昇婚を狙う現実社会における婚活事情と重なります。
2人目の男である「加賀美」は良いヤツでしたが矢車ほどのカリスマ性やカブトを倒す意思がなく短期間で関係終了。
3人目の男である「影山」は先の2人と比べて明確にクズでしたが、割と長い付き合いになります。しかし元彼の「矢車」に蹴り倒される…。
4人目の男である「三島」は実質的に「強引なワンナイトラブ」ですが、事後にザビーゼクターが三島に惚れ込んでいるような様子が描写されます。結果的にヤリ捨てされるのが何とも生々しい…。
結果的に1番マトモで変身者に相応しかったのは最初のパートナーだった「矢車」だと思うんですね。
加賀美と影山はカリスマ性に欠けるし、より強者男性な三島は真剣交際の意思がないし。
その上で長期間一緒に過ごしたのは最も魅力のない影山であり、最終的に当初のパートナーだった矢車に復縁を迫るも振られる始末でした。
矢車自体は「地獄堕ち」した際も決して悪事は働いておらず、やはり根が善人である事は間違いありません。
ただ人間は誰しも浮き沈みがあり、ザビーゼクターが見捨てた時点における矢車の挫折感は成長へのキッカケになった可能性もあります。
現実社会においても「パートナーの収入が低下したから別れる」という話はよく耳にするものです。その結果、元パートナーが事業に成功してしまったというオチは定番も定番です。
これを単に「選り好みした因果応報だ」と断じてしまえば簡単なのですが、やっぱり選り好み自体は仕方ないとも思うんですよねぇ。じゃあ「貧乏生活を受け入れろ」とも言えないし。
これもSNS等でよく見られる意見ですが「女性は出産のリスクがある」「男性も資産を折半されるリスクがある」とあり、性別に関係なく「他者とのパートナーシップ」にはリスクがあります。
リスクばっかり考えた利己的な関係性には不健全な印象を抱きがちですが、盲目的な関係の末に「貧困な子ども」が苦しむのも考えものです。
それこそ公立学校なんかは「変身ベルトを1個も買ってもらえない子」と「主役からサブライダーのベルトまで全部持っててガンバライドのLRカードを多数所持の子」が同じ教室にいます。
私が子供の頃はそういった「格差」は触れてはいけないタブーとして受け流されていましたが、令和になって殆どが可視化されたと感じます。
子育てに限らず様々なタブーが可視化された結果、リスクについて真剣に考える人々が増えたのだと感じており、個人的には一概に悪い事ではないと思っています。
それこそザビーゼクターは他ライダーと違って超近接戦闘を余儀なくされるハイリスクキャラだし、その分だけ変身者選びに厳しい基準を設けていたとしても仕方ない側面はあります。
ただやっぱり矢車を即座に切り捨てたのはなぁ。もうちょっと様子を見てやれよ…とはどうしても言いたくなります。
別に「上昇婚が悪い」とか「高望みがダメ」みたいな事を主張するつもりは全くないのですが「自身の描いた理想」に固執して目の前にいる存在の可能性に全く関心を抱かないのは残念だなぁという勝手なお気持ち表明です。
そういう意味で「高嶺の花が選り好みした結果、誰にも相手にされない末路を辿る物語」として作品を見返すとザビーゼクターの転落人生から学べるものがあるかもしれませんね。
やはり最後はパーフェクトゼクター(強者男性)との一夫多妻・一妻多夫になっていくんですかねぇ。






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