仮面ライダーシンの戦闘力

戦闘力

総合戦闘力 

スペック


シン
パンチの威力2.8t
キック威力4.2t
ジャンプの高さ114m
100m走のタイム3.4秒

引用:仮面ライダー図鑑

基本情報

 仮面ライダー生誕20周年を記念して制作された『真・仮面ライダー序章』の主人公です。「序章」と言いつつも続編は存在しません。あまりにもグロテスクな外見であることから怪人であると勘違いされたり、大集合モノ作品でも台詞が殆どない等の不遇な扱いを受けることが多く、そんな境遇もあってかライダーファン界隈では「シンさん」の愛称で親しまれています。

 そんな「シンさん」の話題になると真っ先に挙げられるのが「脊髄ぶっこ抜き」でしょう。脊髄に関してはシンさんの代名詞的な必殺技であり、腕から生えた刃物で敵の首を切り裂き、そのまま「秋刀魚の塩焼き」の如く身体から頭を引っこ抜いてしまうモノです。その描写も生々しいもので、血飛沫が上がるのではなく、脊椎から血が垂れるという静かな演出となっています。

 ただ、これ以外の特徴を挙げられるライダーファンは意外と少ない印象で、なんだかんだで「本編未履修組」も多そうな作品ではあります。実際に見てみると結構面白い作品で、同年代であるZOやJが50分程度の作品であるのに対し、シンさんは90分という当時としては大作とも言える尺を有しています。

 作風としては『アマゾンズ』や『BLACK SUN』のような大人向けであり、政治や経済を牛耳ろうとする組織とCIAの抗争に巻き込まれるシナリオでかなりハードです。アマゾンズ等は演出のグロテスクさが特に際立ちますが、シンに関してはそれ以上に登場人物の狂気が半ばホラーに差し掛かっている印象です。ライダーシリーズには数多くのマッドサイエンティストが登場しますが、本作に登場する者は「カルトに陶酔した上で自らの遺伝子を組み換えて国家転覆を狙う」思想そのものが怖い存在で、演者の雰囲気も相まって強烈です。

 戦闘シーンもかなり短く、尺の大半が暗躍する組織の描写で構成されることによって世界観の作り込みはしっかりしています。敵組織は「ニューヨークに本部がある」という事実しか明らかにならず、日本における戦闘は局地戦に過ぎない訳ですが、それでも組織の不気味さを存分に感じさせます。イメージとしては『バイオハザード』の組織に似ており、「表向きは製薬会社だが真の目的は生物兵器の開発」であって、世界規模で暗躍する性質上、目の前の敵を倒しても根本的な問題解決にはならないという途方もない展開で幕を閉じます。

 作品としてもう一つ語り継がれているのが「全裸プール」のシーンですが、これ結構カオスですよ。恐らく賢者タイムの真とヒロインがうつ伏せになっているカットしか見たことがないファンは多いと思うのですが、そこに至るまでの水泳シーンが結構シュールです。一見の価値はあります。

 とにかく怪奇な見た目から「認知度は高いけど本編を見た人は少ない」という存在で、外見的なイメージが先行して独り歩きしている気がします。そういう意味では『真夏の夜の淫夢』に近い存在かもしれません。主人公の棒読みっぷりも含めて。

強さ解説

 最大の強みは「驚異的な回復能力」でしょう。シンは組織が開発する「改造兵士」のレベル3に相当する最高ランクの存在です。レベルは以下の通りです。

  • レベル1・・・人体の遺伝子を編集強化し、不治の病を克服する
  • レベル2・・・レベル1の素体に機械を組み込んだサイボーグ兵士
  • レベル3・・・人間にバッタの遺伝子を組み込み、根本的に別生物として進化する

 表向きではありますが「不治の病を克服する未来への研究」という名目で開発された技術であり、回復力の高さが注目されることには説得力があります。実戦においては切傷はもちろん、腹を貫かれても瞬時に回復しており、これは驚異的です。

 腹が貫通しても大丈夫なキャラとしてはアマゾンオメガが存在しますが、あちらは流石に腹を貫かれての戦闘続行は難しく、ある程度は安静にする必要があります。それでも「自然治癒で何とかなる回復力は非常に優秀である」というのがファンによるコンセンサスですが、シンさんはこれを遥かに上回ることになるので本当に強いです。

 また戦闘スタイルとしては『ダブル』のファングジョーカーと似ており、素早い動きで敵を撹乱しつつ、自身の爪で敵を切り裂く戦法です。基礎スペックは機動力に優れており、水準としては響鬼さんレベルです。ただしパンチやキックの火力は控えめです。

 耐久性に優れたシンですが、「炎に耐えられない」という明確な弱点があります。実際にシンと同一のスペックを有する存在は人間による爆破によって発生した炎の中であっさりと焼死しており、公式においても炎耐性のなさは明記されています。

 ヘリコプターの爆破から生還している描写を踏まえると一時的な爆発であれば耐えられるものの、継続的に炎で炙られると対処できないといった性能でしょう。

うっかり変身した場合の戦闘マニュアル

・敵は一般的な怪人(シリーズ序盤の敵くらいの強さ)で、変身した時点で対峙している想定。

  1. 敵に攻撃するフェイントをしつつ、高い機動力を活かして翻弄する。
  2. 敵の注意力を削いで隙が生じたら爪で目を潰す。
  3. 頸動脈を断ち切る。

 回復力が非常に高いので、そこまで過剰な工夫は必要ないかと思います。本編同様に目を潰してからのトドメで問題ないでしょう。頸動脈を断ち切れば基本的に勝ちなので「脊椎ぶっこ抜き」に固執する必要はないです。大昔の「ガンバライド」にて実装されたオリジナル演出の必殺技が非常にカッコいいですが、あれをそのまま再現すれば良いでしょう。

 強いて言うなら、敵を撃破した後に「自分自身も怪人と勘違いされて襲われる」可能性がありますので、なるべく「人間アピール」はしておくべきです。松岡修造ばりのガッツポーズを決めておけば間違いないでしょう。雄叫びは厳禁です。

有利な敵

  • 仮面ライダーガヴ(オーバーマスター)

 ガヴの最強フォームですが、パワー型の「オーバーモード」の火力もスペック上は通常形態の龍騎と互角の水準であり、シンに致命傷を負わせることは難しそうです。マスターモードの高速移動で翻弄し、隙を狙ってオーバーモードの必殺パンチを命中させるまでは良いのですが、結局は遠くに吹っ飛ばすだけで撃破には至らないでしょう。

 瞬時に治癒してしまうシンに対して、ガヴはエネルギー消費によって変身が解除されてしまいますし、そもそも基礎身体能力もシンの方がマスターモード以上に高い機動力を誇りますので、流石にシンが有利になるでしょう。

  • 仮面ライダーサガ

 「ジャコーダー」という伸縮するフェンシングの剣みたいな非常に殺意の高い武器を扱うライダーです。斬撃ではなく、遠距離からの突き刺しや貫通を前提とした戦法を取るわけで、『ディケイド』客演時にも轟鬼と天鬼のライダー2人を葬った実績のある強キャラがサガとなります。

 一方でシンはガッツリ腹を貫かれても戦闘続行な程度には耐久力があり、その上で迅速に治癒してしまいます。ジャコーダーによる貫通攻撃は「針を貫通させる」規模のものですから、仮に命中してもシンへの決定打にはならないでしょう。

不利な敵

  • 仮面ライダーゼロワン(フレイミングタイガー)

 非常に高い耐久性を持つシンですが炎には明確に弱いです。持続的に炎を当てられるとアッサリと死にます。ゼロワンは「かめはめ波」の要領で炎をビーム状にして継続的に放つことができます。シンの攻撃手段が近接における斬撃であることも踏まえると、間合いを詰めさせずに炎を浴びせる戦法は、シンにとって打開する手段が無いため、ゼロワンが勝つ可能性が高いです。

  • 仮面ライダーオーズ(タトバコンボ)

 炎に依存しない方法でダメージを与えるには斬撃が考えられます。実際にシンの修復シーンは斬撃による傷に関するものであり、逆説的に捉えると「シンは斬撃でダメージを受ける」という命題を導けます。

 ただしシンの驚異的な回復速度を上回る火力攻撃を、完全に息の根が止まるまで継続することが必要です。それが可能なのがコスパ最強剣と名高い「メダジャリバー」です。硬貨で表現すると1円玉くらいの価値であるアイテムを3枚使用するだけで「空間ごと切り裂く」必殺技を発動できます。

 この火力をまともに受ければ流石のシンでも瞬時に回復可能とは思えず、一撃で倒せずとも回復完了前に、追撃を繰り返すことでオーズが勝利する展開が想定されます。

ベストパートナー

  • 仮面ライダーエクシードギルス

 ギルスのキャッチコピーは「仮面ライダーになってしまった男」ですが、これはまさにシンさんと同じです。シンの変身者は元々自身の肉体を人体実験に利用することを承諾していましたが、恐らく「少し危険な治験」程度の認識で承諾しており、自身にバッタの遺伝子を組み込まれていることには全く知りませんでした。

 自身が改造された兵器であると気付くと同時に「人を殺すのではないか」と酷く憔悴しており、決して望んで手に入れた能力ではありません。

 ギルスもまたシン程ではないにしろ異形の姿をしており、それ故に孤立します。また両者ともに数少ない理解者がほぼ全員死亡しており、悲哀に満ちた存在です。

 人物的な共通点が多いですが戦闘面でも「しぶとい」という特徴が似ており、シンが「ダメージを受けにくい性能」だとすれば、ギルスは「ダメージを受けても蘇生する性能」であり、ピッコロの如く腕が生えてきます。敵の攻撃に怯まずに全身の刃物を活用した戦法はお互いの得意分野であり、相性は非常に良さそうです。

  • 仮面ライダーフォーゼ(ファイヤーステイツ)

 文字通り「炎属性」のライダーですが、同時に「水属性」でもあります。というのもファイヤーステイツは消防士がモチーフとなっており「炎に耐えて消火する」ことを得意とした形態です。シンの弱点が炎ですから、身を挺して炎からシンを庇いつつ迅速に消火する立ち回りが出来れば、シンの弱点をカバーできるでしょう。

強い?弱い?

 非常に高い治癒能力を有し「腹が貫通しても戦闘可能」「瞬時に回復」といった描写を踏まえれば間違いなく「強い」キャラクターと言えるでしょう。斬撃や打撃への耐久性が高いライダーは一定数存在していますが、貫通攻撃に関しては致命傷になることが多く、これに対応出来てしまうシンさんの性能は驚異的です。

 ただし「炎」という明確な弱点があったり、1撃で跡形もなく消え去るほどの火力が直撃すれば流石に対応出来ないため、完璧な存在とは言えません。また機動力は高いものの、シン自身の火力は控えめであり、爪による攻撃も近接戦を前提としたものであるため、裏を返せば遠距離攻撃の手段を一切持たないという点もマイナス要素です。

 殺意の強い技を披露するシンですが、総合的に考えると「防御特化の性能」という評価になり、最大性能は高いものの弱点もあることを踏まえると「普通に強い」といった水準に落ち着きそうです。

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