闇堕ちした訳ではないと思う…仮面ライダーキックホッパーの戦闘力

戦闘力

総合戦闘力 

スペック


キックホッパー
パンチの威力3t
キック威力6.5t(必殺は20t)
ジャンプの高さ39m
100m走のタイム5.6秒(通常時)

引用:仮面ライダー図鑑

強さ解説

火力

打撃実数値は歴代作品全体と比べると低い部類になってしまいますが、一応は主人公であるカブトのライダーキック(19t)を超える必殺火力です。

同作品内においてキックホッパーを超える実数値が確認されるのは「ハイパーカブト」だけであり、最強フォーム抜きなら最強火力と見ることができます。

加えてこの必殺キックを5連続で発動できる点も好印象です。

ただしあくまで「純粋な打撃」であり、毒攻撃を筆頭とした特殊能力を有する者よりも殺傷力に優れるかは怪しいです。

汎用性

パンチホッパーと同様に「マスクドフォームが存在しない」は非常に惜しいです。

『カブト』に登場するライダーは「防御特化とスピード特化を切り替えられる」が持ち味ですが、キックホッパーは「単なるスピードキャラ」に落ち着いてしまいます。

加えて一切の武器を有さないため戦略の幅は狭いです。

まぁ「クロックアップ」が優秀なので、それだけでも汎用的に活躍できる能力ではあります。

機動力

「クロックアップ」による超高速移動が可能です。

後のシリーズでは対抗手段や類似能力も多く登場しているため、一概に「クロックアップが最強で最速」とは言えない時代になりつつありますが、強い事に間違いはないです。

特に「マスクドフォーム」を経由しないキックホッパーに関しては「クロックアップの最速発動」が可能であり、この点は同作品の他ライダーより高く評価したいです。

また跳躍力の実数値が同作品登場のライダーと同格の水準ですが、流石に必殺前の「ライダージャンプ」は実数値以上の高さまで跳べると思います。

専用音声まで用意された「ライダージャンプ!」がザビーの適当ジャンプと互角では流石に不憫すぎますし。

『カブト』という作品のアイデンティティと言える要素であり、クロックアップ早期発動・連続使用が可能な点を考慮して27点とします。

「クロックアップ」に関しては「単なる高速移動」として考えるか「時の流れを操る等の特殊能力」として考えるかは難しいところです。

特殊能力

最大の強みである「クロックアップ」は制限時間がありますが、連続使用が可能です(同一能力を持つカブトが第3話で実践してた)。

加えて「超スピードの敵を目視できる」という設定があり「自身が超スピード状態でなくとも視認可能」な点は素直に優秀と言えます。

また限定条件ではありますが、超スピードで動く相手に対しては「原子崩壊・消滅」を付与するようです。

パンチホッパー同様に「マスクドフォームへのプットオン」という戦略性を喪失したのは厳しいですが、こちらは変身者である「矢車」が優秀な点で救いはあるでしょうか。

ヤサグレてはいますが生身の状態でもワームと戦えてますし、ウカワームに吹き飛ばされても軽傷です。

当初変身していた「ザビー」はパンチ主体の性能デザインでしたが、キック特化のスタイルに問題なく移行できた点でも矢車の技量の高さが窺えます。

強い?弱い?

性能自体はパンチホッパーと同じでシンプルですが、兄貴に関しては結構強いんじゃないかと思います。

そもそも「クロックアップ」を扱える時点で一定の強さが担保されているし、その上で変身者自体がしっかり強いので頼もしいです。

確かに「マスクドフォーム消失」という欠点はありますが、そもそも本人が「ザビー復帰のチャンスを2度に渡って蹴っている」事実を踏まえると「必要性を感じていない」可能性があります。

もちろん変身者・ライダーシステムの両者を見ても「最強クラス」とは言えませんが「初手から超スピードで必殺キックを連発してくる」と考えれば「強い」という事実は揺らぎません。

そもそも「クロックアップ」の連続使用が無法ですし。

うっかり変身した場合の戦闘マニュアル

・敵は一般的な怪人(シリーズ序盤の敵くらいの強さ)で、変身した時点で対峙している想定。

  • 初手でクロックアップ
  • 超スピードでタックル(瀕死になるまで繰り返す)

必殺キックとショルダータックルの効果が「原子崩壊・消滅」で同様の内容となっています。

「時空を動き回る敵に対して」という条件は付されていますが、全く同一の記載だと「破壊力自体は変わらない」可能性がありそうです。

「ベルト操作必須の必殺キック」と「特に操作不要のタックル」を比較して殺傷力が互角であるならば後者を連続して繰り返す方が良いと思います。

クロックアップ自体は制限時間が切れても再使用可能と思われるのでガンガン使っていきたいです。

有利な敵

仮面ライダーウィザード(フレイムドラゴン)

キックホッパーは緑色のライダーなので直感的に「炎に弱そう」なイメージがあるのですが、意外にも「5000度の高温に耐える」という設定になります。

クロックアップは範囲攻撃で攻略される恐れがありますが、炎であれば一定程度の被弾で致命傷になる可能性は低そうです。

「希望」というフレーズも矢車の逆鱗に触れそうだし色々と丁度良さそうな相手ではあります。

仮面ライダー旧1号

「バッタのライダー」として連想するのは初代ですが、意外にも彼の跳躍力は15mの高さでキックホッパーの半分以下になります。

キックホッパーの「39m」という実数値は突出した水準ではありませんが、少なくとも「ドラゴンフォームのクウガが30mの高さ」である事を踏まえると十分です。

高さ39mを現実世界で例えると11〜14階建てマンションと同程度となるようです。

不利な敵

仮面ライダーファム

女性詐欺師のライダーです。

矢車の実力は高水準ですが女性に惚れると失態を晒します。

彼のストライクゾーンは「瞳の奥に闇があること」ですが、ファムのように「凶悪殺人犯に姉を殺されて復讐に燃えている」は該当する可能性があります。

「ウカワーム×ドレイク」に割り込めなかった時と同様に「ファム×龍騎」に待ったをかけるのも難しそうです。

背後からのファイナルベントで例の吹き飛び(第40話)となりそうです。

仮面ライダーゼロワン

兄貴「お前は良いよなぁ、社長として敬われて。」

或人社長「あなたもバッタのライダーなのか!バッタにバッタリ出会った!ハイ、アルトじゃ~ないと~!」

イズ「…」

腹筋崩壊太郎「…(真顔)」

兄貴「誰も笑ってないから良いや…」

ベストパートナー

仮面ライダーローグ

矢車の思想に最も近しい人物だと思います。

詳細は後述しますが、矢車は「闇堕ち」ではなく「栄光や見返りを捨てた正義」だと個人的には考えています。

ローグの理念は「父親が政治家として活躍出来るよう、自身は汚れ仕事を請け負う」であり、自身への見返りを求めず、半ば自己犠牲的な考えに基づきます。

その思想が「かつて自身が非行に及んだ反省」という意識に起因する点でも矢車に近いものはありそうです。

ローグは仲間に恵まれた事によって精神的に救われていましたが、矢車も仲間にさえ恵まれれば救われたんですかねぇ。ジオウ客演時に描かれた末路は悲惨でした。

仮面ライダー龍玄・黄泉

「黄泉」とは死後の世界を意味する用語であり、キックホッパーのテーマである「地獄」に近しい性質を有します。

このフォームに変身した際の龍玄は所謂「闇堕ちミッチ」として親しまれており「惚れた女の好意を惹きたい」=「見返りに固執」した結果、闇堕ちした存在です。

性格自体は知的ですが精神年齢が幼いため、その意味では「影山と似ている」という見方も出来るでしょう。弟キャラだし。

ミッチ「舞さん…マイサン…(泣)」

兄貴「お前も地獄に堕ちよう」

ミッチ「どうせ僕なんて…」

貴虎「なんか光実がヤサグレてる…?いや気のせいか…」

「地獄堕ち」と「闇堕ち」は違うと思う

キックホッパーって何故か「ダークライダー」として扱われていると感じるのですが気のせいですかね?

特に『ディケイド夏映画』客演に関しては凶悪犯罪者と並べられており、完全に悪役としての印象を受けてしまいます。

しかし『カブト』本編の矢車は「地獄堕ち」としてヤサグレてはいたものの、特に悪い事はしていないです(一応は「ワームに惚れてしまう」場面もありましたが、まぁこれはウカワームが美人すぎるので仕方ない)。

キックホッパーとしての活動は基本的に「ワーム打倒」で一貫しており、カブトとの戦闘も「暴走したカブトを止める」目的であったと思われます。

その後もカブト&ガタックと連携したトリプルキックといった活躍もあり、結構ガッツリ正義を全うしています。

つまり矢車は「どうせ俺なんて…」といった具合にネガティブな言動こそ目立つものの「闇堕ち」とは言えないと思うんですね。

「闇堕ち」というのは「アークワン」のように復讐に取り憑かれて本来の目的を見失った状態を指すと考えています。

では矢車の「地獄堕ち」とは何を指すのでしょうか?

これは「一からの出直し修行」みたいなものだと個人的には考えます。

「陽の光が当たらない」=「スポットライトが当たらない」=「地位と名声に固執しない」という理屈な気がするんですよね。

当初より矢車は悪人ではありませんでしたが、完璧主義に拘ったが為に冷静さを失う脆さがありました。

そして完璧主義に固執するのは「部隊の隊長として活躍したい」=「部下から崇められたい」という心理があったんじゃないかと推測します。

そうすると「ザビーゼクターに見捨てられた原因」=「不健全な承認欲求」という図式が成立します。

その反省として「不健全な承認欲求を捨てる」ために「スポットライトが当たらない地獄に堕ちる」であれば「ヤサグレた態度と正義感の両立」が腑に落ちます。

それこそ第33話で影山ザビーを「地獄に堕ちようキック」で撃破したのも「ザビーという名の栄光に縋るから非行に走ってしまう」という教訓があったのかもしれません。

実際にパンチホッパーとしての影山は真っ当に人間を助ける戦士だったし。

矢車の地獄堕ち思想は「見栄や見返りを求めずに戦う」であり「出家」に近い概念なのかなと推測しています。煩悩を断つ的な意味で。

一応はゼクト部隊を見捨てる場面(第44話)もあったけど、そもそもゼクト自体が怪しさMAXな組織であり、彼らを見捨てた判断を一概に責めることも出来ないです。

キックホッパー誕生の経緯も不明なので何とも言えない部分が多いですが「態度が悪役っぽい」という理由だけでダークライダー扱いされてしまうのは少々残念ではあります。

『ジオウ』客演に関しては「どうせ俺なんてワームにしか相手にされない」という趣旨の「自尊心の低さ」が強調されており、2006年当時の矢車とは若干違うのかなとは感じました。

ただ当時から10年以上経過すれば心境の変化もあるだろうし、仮に1人で「白夜旅行」を敢行したのであれば北欧人と同様に季節性感情障害に罹患した可能性も否めません。

その意味では「孤独な13年間は矢車の正義感を惑わす程に厳しかった」という妙な説得力として解釈でき、その上で「完全な悪人ではない」という扱いは結構好きです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました