主に描かれたこと
- 大統領との決戦
- ショウマのメンタル
- 社長としての幸果さん
ニエルブは意外と律儀?
グラニュート世界にやって来たショウマとニエルブが大統領を倒す作戦会議をします。ニエルブの作戦は「毒素を大統領に注入し、衰弱した隙に倒す」というものです。ショウマは大統領へのアプローチ自体には異議を唱えませんでしたが、2つの点についてニエルブに詰め寄ります。
- 本当に闇菓子製造を辞める気があるのか、今すぐ人間界とグラニュート世界を遮断しろ。
- ニエルブは戦闘に参加せず、一人だけ安全な場所で隠れているつもりか。
これに対してニエルブは以下の通り応答します。
- いきなり闇菓子をゼロにすると悪目立ちし逆効果、段階的に減らしていこう。
- 大統領と一騎討ちできるようにするため、ニエルブがリゼルを引き付け加勢を防止する。
②に関しては結構まともな返答です。
①に関しては疑いたくなりましたが、ランゴが発見した闇バイトが「ニエルブの指示で一時活動中止」になっている事が判明しており、これも嘘ではないようです。
ただしニエルブは「闇菓子のストック数があるから大統領選で使う」という趣旨の発言をしており、長期的な目線で何を考えているのかは不明です。もっとも大統領になるのはショウマであり、ショウマの意向を無視する事は出来ませんから「闇菓子からの撤退」は受け入れていると思われます。
幼少期のニエルブが「病弱体質を理由に蔑まれた」過去が描写されましたが、彼のコンプレックスは身体が弱くても「自分の実力でストマック家に貢献出来ると証明する」ことで解消されるようです。「自分の実力=ショウマに依存」なのが何とも情けなく、結局はランゴの影に隠れていた頃と本質的に変化していないところが皮肉ですね。
詰めが甘いニエルブくん
作戦を承諾したショウマがニエルブの姿に変装します。これが意外にもめっちゃ似ていて素敵でした!喋り方もそうですが本当に兄弟らしさを感じる名演技だったと思います。やっぱ役者さんって凄いわ。
大統領の背後から毒素による奇襲を狙うショウマ。主人公らしからぬ暗殺者ムーブ!作戦は成功したかに思われましたが、大統領は既に毒素を対策済みでした。第41話で大統領が提供した怪人の遺体を利用して生成した毒素でしたが、ニエルブへの提供前に抗体等の準備は済ませていた、とのことです。流石です大統領!
破れかぶれで勝負を仕掛けるショウマはオーバーマスターのフルスペックで大統領に立ち向かいます。しかし全く歯が立ちません。大統領に完全敗北したショウマは、助けに入ったラキアと絆斗に連れられて人間界に帰還します。
ニエルブの失態をまとめると以下2つです。
- 大統領の実力を見誤っていた。
- 大統領に提供された毒素が、提供者本人に対策されている可能性を考慮出来ていなかった。
①に関しては擁護できます。元々ニエルブは戦闘向きではないですし、ランゴ兄さんですら「大統領を倒してくれるなら都合が良い」と発言するくらいですから、あそこまで圧倒的だと気が付かなくても仕方ないです。
②はちょっと許されないでしょう。知略型の人間として一番やってはいけないミスだと思います。一応ニエルブなりに「改良した」とは言っていましたが、同じ毒素を使っている時点でね…。高い知能で暗躍してきたニエルブですが、今回の失態で「底が見えた」感じであり、退場は近いでしょう。
大統領「ニエルブくんに話があってだね?」
Σ(゚д゚lll)
ニエルブくんさぁ…
ショウマの気持ち
グラニュート世界に凱旋し、かつて母と過ごした部屋にやって来たショウマ。2つあった椅子は一つに減っており、そこに母がいるかのように人間世界での想い出を語ります。それはかつて母がショウマに人間世界の素晴らしさを語りかけた場面にそっくりです。
想い出を追憶する中で涙する姿も母親そっくりなショウマですが、自らの使命を達成するため「忘れなきゃ」と自分に言い聞かせます。本当に自己犠牲で突き進んでいくところが「火野映司」を彷彿させます。
大統領に敗北し人間界に帰還したショウマは、幸果さんの頭突きを喰らいます。「独りで全部抱え込んで、ウマショーはそれで幸せ?」という発言はまさに核心を突いており、ショーマが使命感だけでなく自分の気持ちも尊重するように諭します。
このサイトで何度も取り上げている内容ですが「ショウマは自尊心が非常に低い」キャラです。自分の存在が罪の象徴になりがちなのは劇場版を観ても明らかですが「誰かの為に自己犠牲になることで、自分の存在意義をギリギリ保つ」精神構造になっていると思われます。
今回の幸果さんが放った「自分で幸せを選べ」という発言ですが、ショウマに効いたのはその後の3人が放った「ショウマと一緒にいたい」という趣旨の発言でしょう。無条件に自分自身を求めてもらう体験は、ショウマの人生に影を落とし続けてきた自尊心の低さにダイレクトな光を照らすものではないでしょうか。
ショウマとしては「人間世界で過ごしたい」という希望はずっと持っていましたが「これを口に出す勇気がない」ことが本質的な問題だったのであって、仲間の精神的なケアもあって初めて自分の言葉にした事により随分と楽になれたと思います。
幸果さんvsランゴ兄さん
ランゴ兄さんがニエルブの動向を探るために闇バイトに接触し、用が済んだら抹殺します。これはランゴの生存が大統領にバレては厄介だからでしょう。まぁ殺す事の合理性はあると思いました。
それを目撃した幸果ですが、ランゴ兄さんに気付かれます。こちらもショウマ同様に破れかぶれでランゴに突撃します。流石に口論ですしギャグシーン寄りの場面ではありましたが「社長としての在り方」という面では結構大事な話をしていたと思います。
2人ともそれぞれ社長ですから、特に幸果さんはランゴの姿勢に物申したい気持ちはあったのでしょう。この展開自体は好きなんですけど、個人的には「ハピパレ黎明期」の幸果を描いた上で今回に繋げて欲しかったなぁと思ってしまいました。最近になってようやく幸果にもスポットが当たりましたが、やはり幸果の過去については他キャラと比べて不明な点が多いですし。
もちろん現時点での幸果さんも非常に魅力的な存在ですが、もう少し掘り下げをした上で「社長としての」幸果を演出すれば「ヒロイン兼おやっさん」という異例の枠として重厚感あるキャラになれたのに~と惜しい印象を抱きました。
今後の展開
- ニエルブとの決戦
- なんかリゼルが曇ってる?
- 大統領が再び人間界へ。闇菓子を大量製造。
まぁ追い込まれて立場が苦しくなったニエルブが身の潔白を証明するためにガヴとの決戦を挑んでくる展開でしょうね。次回でニエルブは退場の可能性が高いと思います。流石にもう47話になるし妥当でしょう。むしろここまでよく生き残ったよ。
次回予告を見て気になるのが「リゼルの表情」です。これは本当に推測の域を出ないのですが個人的には少々ドン引きしているような表情に見えました。大統領が人間界に来ている状況も加味すると「ランゴ兄さんが成し遂げる」可能性が少なからずありそうです。
ラスボス予想(46話時点)
ジープ
可能性としては中程度でしょうか。今後の強化も一応は示唆されていますし。個人的にジープの変身ポーズや目の光る描写から、明確に「ショウマとの対照」を意識している印象があるので「仲間に囲まれたショウマ」VS「全てを失った・拒絶されたジープ」の構図は美しくはあります。
→第43話では着実に戦闘力が成長している描写がありましたが明確に赤ガヴには劣るようです。そんなことも知らずに強くなっている事を純粋に喜ぶジープ。少なくともニエルブがジープをどこかで見捨てる展開はありそうで、それを機に更にコンプレックスを拗らせることになりそうです。
下剋上の如く、他の怪人を見返した上で「ジープにとってのラスボスとして」ショウマが存在するという展開は非常に面白そうです。ショウマとジープの対立は「お互いがお互いにとってのラスボス」という構図になりますから、やはりシナリオとして美しいです。
ランゴ
やはり最有力候補です。井上みちるを起点にショウマの家族に関する掘り下げと並行してランゴが想うストマック家という家族についても描れそうです。そもそもランゴが何故ストマック社に拘るのか。その背景に強い家族愛があるのであれば、ショウマとの対比としてはバッチリです。ここで復活したということは塚本高史さんのスケジュールも抑えてるだろうし、よっぽどのことがなければラスボス確定でしょう。
→総集編である第44話においても明確に台詞と新規カットがあり、この点ではジープやリゼルとは別格の扱いを受けています。ブーシュが無能ゆえに殺害したという事ですが、ランゴとブーシュの意思疎通がどの程度出来ていたのかが気になります。例えばですが以下のような展開を想定してみましょう。
①ブーシュは「人間とグラニュートの共存」を望んでいた。
②しかしブーシュは口下手でランゴ達に真意を一切伝えていなかった。
③何も知らないランゴは「父が人間優先で家族や会社を軽視している」と勘違いした。
④闇菓子製造に消極的な父のせいで業績が悪化した。
⑤「人間と父によって一族が滅びる」と懸念したランゴが父を殺害。人間に対しても憎しみを抱くようになる。
少々強引な展開かもしれませんが、ブーシュは人間のお菓子に魅了されていたんじゃないですかね。それこそデンテ叔父さんは「闇菓子より人間世界のお菓子の方が美味い」という趣旨の発言をしてますし。
そしてブーシュに対してお菓子の魅力を熱心に伝えた存在が「井上みちる」だった、という展開であれば前日談として綺麗です。その上で「最後は人間を犠牲にした闇菓子の味しか知らないランゴ」と「人間と怪人(ショウマ自身)を繋げる人間世界のお菓子の味を知ったショウマ」が決戦するという展開にも持って行けそうです。
撃破されたランゴがショウマに「分け与えられた」お菓子を初めて口にして、ブーシュの真意等を全て理解した上で「美味しいな•••」と笑みを浮かべ最期を迎える、であればラスボスの格として充分過ぎるほど魅力的なキャラクターになりそうです。
→46話で「大統領の死は都合が良い」とハッキリ明言しました。その上で次回47話では大統領が人間界にやって来ます。チャンスです。
大統領
第46話にてショウマと対決しました。いやメッチャ強い。ただ残りの尺を考えるとコイツをまともに倒すのは難しいと思うんですよね。ショウマが倒すならまだしも絆斗達が雑に倒すようでは一気に格が落ちますし。
第47話でまた人間世界にやって来ますが、今度こそランゴに殺されんじゃないかなぁ。今回で大統領の戦闘面における活躍はしっかりと描けたし、その上で最も格落ちせずに残りの尺と折り合いをつけた退場方法は「ラスボスたるランゴに殺される」意外にあり得ないと思います。
リゼル
第41話でジープとの関係性が少し進展したように感じます。リゼルの歪んだ感性については是非とも描いて欲しく、描き方によってはラスボスとしての格も十分にあるでしょう。ただ一方でリゼルがジープにとって徐々に大切な存在になりつつある雰囲気もあります。ジープは大切な存在を失う事で悲壮で魅力も増すキャラクターなので、最終的にはジープに愛情を伝えて先立つといった展開も見応えがありそうです。
→第42話では特に動きがありませんでした。次回で人間界に登場しますが、大統領が殺されることはあってもリゼルまで同時に殺される展開は流石に無いんじゃないでしょうか。父親が目の前で殺されたと仮定して、リゼルは悲しむのか、それとも平然としているのかは気になるところです。それこそ「家族を失って復讐に燃える主要人物達」の中で唯一、「家族に関心を持たない人物」として描くのであれば非常に印象的なキャラクターになりそうです。その上でジープにだけ何かしらの強い愛情を抱くという展開であればリゼルの人格に重厚感が出そうです。
→43話で父親との会話が描写されましたが、やはり考え方等は相性が悪い様子で、父親に対する「家族愛」というよりは「権力者」として利用している雰囲気があります。一応は馴れ馴れしく「パパ」と呼んではいますが、あくまでも権力者に取り入る手段としての振る舞いに感じます。
→45話では人間界を破壊してすぐに戦線離脱してしまいましたが、これだけでは何とも言えないです。ニエルブ以上にラスボス化の可能性が読めない存在です。
ニエルブ
第45話にてショウマと手を組み、大統領の打倒を狙うニエルブですが「闇菓子に固執しない姿勢」を見せて来ました。加えてニエルブの家族愛を「誰も信じない」という発言も気になります。
個人的な考察としては、ランゴの「ブーシュに対する無能扱い」に近しい背景があるのではないかと思います。つまりランゴが抱く家族愛には「会社繁栄=闇菓子製造」の図式が強く刷り込まれており、闇菓子製造に積極性を持たない者は信用しない、或いは敵と見なすという考え方があるのかもしれません。
もしそうであれば、ニエルブの発言もランゴの振る舞いも両方とも正として辻褄を合わせることが出来ます。「自分なりに家族のため奔走したニエルブ」が「彼の真意を認めないランゴ」に殺される展開は哀れですが、ブーシュの真意に繋げる筋書きがあるのであれば、割と現実的にあり得る気がしてならないです。
第47話で退場しそうです。もちろん断言は出来ませんが、今回で彼の持ち味である「知性に底が見えた」のは大きいです。最終回まで生存する可能性もあるっちゃありますが個人的には「しつこい」印象を抱いてしまうかな…。
追い込まれた悲壮感の中で、ガヴにトドメを刺されるのか、大統領に引導を渡されるのか。いずれにしてもラスボス化の可能性はだいぶ弱まったと思います。
まとめ
大統領とのド派手な戦闘がシンプルにカッコいい第46話でしたが、ショウマの精神性を改善するキッカケとしても良い描き方だったと思います。
劇的な改善と言うのも安っぽい仕上がりになってしまいますし「すすり泣くショウマがやっと一歩を踏み出す」に留めたのがポジティブな側面とショウマが抱えてきた闇の大きさを両立させていて素晴らしい塩梅だと思いました。
次回はニエルブとの最終決戦になりそうですが、彼の更なる深掘りはあるのかは気になるところです。個人的には大統領も死ぬ2段落ちではないかと予想しています!(笑)
まぁ大統領まで死ぬのは急展開すぎますが、ジープ・リゼル・ランゴと大物が3人も残っている状況を踏まえると本格的に尺が足りないため、割と現実的にあり得るとは思います。
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