主に描かれたこと
- 酸賀に洗脳された絆斗が自分自身の戦う理由を再確認
- 早くも酸賀さんは退場
- ニエルブの心の闇
- 一般被写体ランゴ兄さん
- ラーゲ9が久々に活躍
- 絆斗がショウマに真実を伝える
- 駄菓子屋の店主が「グラニュート界」の存在に気付く
絆斗の葛藤
酸賀さんが変身したビターカヴの洗脳によって自我を失ってしまった絆斗。「ガヴとヴラムを倒せ」という命令に抗えず、仲間である2人に襲い掛かってしまいます。ショウマ達は何とか絆斗を沈静化し、彼を暫く安全に捕縛することにします。
オーバーガヴに吊し上げられる絆斗はちょっとシュールでした(笑)。またここでラーゲ9の能力を活用したのは上手いです。
そして絆斗は自身の精神世界で葛藤します。
- 何のために自分自身が改造され、戦士になったのか。
- ただ酸賀の言いなりになっていただけなのか
- 自分は復讐をするために今でも戦っているのか。
さらに自分が戦い始めたキッカケと今戦う理由を根本から見直します。
- 今の自分は「復讐のため」に戦っているのではない。
- 自分を支えてくれたショウマやラキア、仲間達のために戦っている。
ここで絆斗の経緯を整理してみましょう。
- 初期は復讐に囚われた状態だった。
- 酸賀が彼の復讐心を利用し、改造手術を施す。
- 絆斗が徐々に復讐ではなく、仲間を守るために成長していく。
- 絆斗が酸賀を倒す。
- 絆斗が母の仇を許す。この時点で「復讐を完全に卒業」した。
- その後はショウマのためを思って、親族探しなどに奔走している。
つまり絆斗にとって「酸賀さん」とは「絆斗自身の復讐の象徴」という位置付けになります。もし絆斗に復讐心が残っていれば「また酸賀さんの言いなり」になってしまう可能性がありましたが、自力で洗脳を克服したという事は「現在の絆斗は復讐に囚われた状態ではなく、仲間のために戦う戦士として大きく成長した」という強い裏付けです。
前回の時点では「酸賀さん復活の必要性」に疑問を抱きましたが、「絆斗が戦う根源的な理由」を描写する上では必須の存在だったのかもしれません。掌を返します。
ニエルブの精神性
やはりニエルブの「僕の能力なんて」というコンプレックスを感じさせる発言は気になります。第42話では新たに「ショウマの眷属に対する羨望」「赤ガヴへの注目」が描写されました。
これらを紐解くと以下の事柄が思い浮かびます。
- ニエルブが召喚できる眷属が、ランゴが召喚する眷属より大幅に弱い
- ニエルブの研究者としての才能がデンテ叔父さんに劣っている
これまでニエルブは研究者として暗躍してきましたが、振り返るとあまり大きな成果は挙げられていません。実際彼がやった事って「ビターガヴの調整」「ヴラムシステム開発」程度であり、ビターガヴの開発自体は酸賀さんであってニエルブは技術を流用しているに過ぎません。
しかも彼が移植したビターガヴは漏れなく速攻で撃破されています。そしてニエルブの改良品を葬るのは「デンテの発明品」である「赤ガヴ」なのです。冷静に考えれば「ヴラムシステム」を強化して移植するアプローチをしても良いはずなのに、ニエルブは「黒ガヴ」に拘っているように見受けられます。
まさに今回でプリンアラモードの盾を投げ捨てながら「やっぱり赤ガヴだな」と発言したことからも、技術力という側面でニエルブはデンテの発明品を強く意識してそうです。
今後の展開
- 大統領親子が人間界を視察!
- ランゴの動向→大統領への復讐があるか?
- ジープが再び戦闘に参加
- 駄菓子屋の店主とショウマが真実に近付く!!
第42話で駄菓子屋とショウマが真相に近づき始めました。ショウマは駄菓子屋が自身の親族であること、駄菓子屋はグラニュートによる拉致被害が20年前から発生していることを知りました。その上で次回予告ではショウマが駄菓子屋に対して「真実を知りたいですか?」と尋ねている描写が存在しており、駄菓子屋が「妹の死」を知る展開は次回で確定でしょう。
その上でショウマの「断片的な記憶喪失」をどのような切り口で描くのかは非常に気になるところです。やはり王道は「駄菓子屋が語る生前の母」の人物像をヒントに「ショウマがグラニュート世界で母と過ごした時間」を全て思い出すという展開でしょうか。これについてはガヴ主題歌の歌詞にヒントがあると予想しており、別途考察していますので是非ご覧ください。
ラスボス予想(42話時点)
- ジープ
可能性としては中程度でしょうか。今後の強化も一応は示唆されましたし。個人的にジープの変身ポーズや目の光る描写から、明確に「ショウマとの対照」を意識している印象があるので「仲間に囲まれたショウマ」VS「全てを失った・拒絶されたジープ」の構図は美しくはあります。- →可能性は高まってきています。リゼルに対して以前よりも心を開いている描写があります。またランゴに対しても強い恨みは無く、歪んではいるものの兄弟としての愛情を示唆する発言があります。リゼルもランゴもみんな死んだ上でミミックキーだけが遺された孤独なジープというのは非常に悲惨な存在であると同時にショウマとの対比としてはやはり美しいです。
- →第42話では特に動きなし!次回で戦闘するようなので注目です!
- ランゴ
- やはり最有力候補です。井上みちるを起点にショウマの家族に関する掘り下げと並行してランゴが想うストマック家という家族についても描れそうです。そもそもランゴが何故ストマック社に拘るのか。その背景に強い家族愛があるのであれば、ショウマとの対比としてはバッチリです。ここで復活したということは塚本高史さんのスケジュールも抑えてるだろうし、よっぽどのことがなければラスボス確定でしょう。
- →第42話での活躍は人違いで彼を撮影しようとした幸果にガチギレするに留まりました。しかし次回予告で大統領が人間界にやって来ますので、ここで大きな動きを見せそうです。
- 大統領
中から高。あまり物語に関与してこないし、いきなりラスボスに昇格するには唐突な印象を受けそうです。個人的には「財団X」のように最後まで倒されずに裏で暗躍し続ける悪として、本編ラスボスになるとは言い切れないと考えています。- →次回予告で人間界に視察としてやって来ます。リゼルと腕を組んで歩く男が大統領の擬態した姿でしょう。ただ大統領がこのタイミングで「ランゴが潜伏する人間界」に来る展開は非常に「死亡フラグ」がビンビンに立っている印象です。やはりランゴに殺されるんじゃないかな。
- リゼル
第41話でジープとの関係性が少し進展したように感じます。リゼルの歪んだ感性については是非とも描いて欲しく、描き方によってはラスボスとしての格も十分にあるでしょう。ただ一方でリゼルがジープにとって徐々に大切な存在になりつつある雰囲気もあります。ジープは大切な存在を失う事で悲壮で魅力も増すキャラクターなので、最終的にはジープに愛情を伝えて先立つといった展開も見応えがありそうです。- →第42話では特に動きがありませんでした。次回で人間界に登場しますが、大統領が殺されることはあってもリゼルまで同時に殺される展開は流石に無いんじゃないでしょうか。
- 父親が目の前で殺されたと仮定して、リゼルは悲しむのか、それとも平然としているのかは気になるところです。それこそ「家族を失って復讐に燃える主要人物達」の中で唯一、「家族に関心を持たない人物」として描くのであれば非常に印象的なキャラクターになりそうです。その上でジープにだけ何かしらの強い愛情を抱くという展開であればリゼルの人格に重厚感が出そうです。
- ニエルブ
第41話でビターガヴと共にライダー達との戦いに登場しました。毒属性の能力を有することが判明し、その上で「僕の能力なんてランゴ兄さんと比べたら・・・」という発言がありました。中々怪人態にならないあたり、やはり別の怪人に殺される展開が有力ですが普通に絆斗かラキア辺りに倒される展開もありそうです。何れにせよ「ランゴに対するコンプレックス」のようなニエルブ自身の内面を描いたらアッサリと退場しそうな雰囲気ではあり、ラスボス化は想像し難いです。- →第42話で大きく活躍しました。先述の通り「コンプレックス」という側面はしっかりと描かれそうです。今回で怪人体が登場し結構マッシブなデザインで意外でした。「やはり赤ガヴか・・・」という発言を残して立ち去りましたが、今後更なる活躍がありそうです。
- 最期は「ニエルブ自身がビターガヴになる」という展開もあり得そうです。何となくですが「完全な赤ガヴ」と「不完全なビターガヴ」という関係性から「僕はどうしても赤ガヴになれなかった・・・」という末路が綺麗だなと感じています。
- ショウマの父
- 「駄菓子屋の店主がショウマの父であり、そのままラスボスになるのではないか」と予想していましたが41話の展開やランゴ復活を考えると可能性は低そうですね。ショウマの父はあくまでもランゴの回想にて、彼をラスボスとして魅力的なキャラに印象付けるための描写に留まりそうです。以前として死因不明なのは気になりますが・・・。
まとめ
唐突に登場した酸賀さんでしたが、思ったよりも絆斗の精神を描く良いキッカケとして作用しているなと感心しました。また絆斗に関して深く描く展開は今回がラストかもしれません。少なくとも内面的な成長という意味ではラキアと共に「描き切った」感があるし、それとは対照的にショウマや幸果さんの描写が手薄な印象があるので、もうこれ以上は絆斗達に尺を使う余裕は無いでしょう。
ただし現状で明確に死亡しているストマック家のシータとグロッタはそれぞれショウマとラキアによって葬られており、絆斗はまだストマック家の幹部を一人も倒していない状況です。既に敗北自体はしているジープやランゴはやはり人物描写を深掘りした上でショウマと再戦させる流れが美しくはあり、そうなると必然的にニエルブが絆斗によって引導を渡される展開になりそうです。酸賀さん関係の負の遺産に終焉を打つという意味でも絆斗は適任でしょう。
そして次回からは、遂にショウマの過去について深掘りが始まる雰囲気です。ジープの歪んだ復讐心やランゴの復讐といったラスボスダービーも同時に描かれることになるため、一気に激動の展開が待っていそうです。
まず大統領は生きて第43話を越えられるのか!とても死にそう!(笑)
あと全然関係無いんですけど、赤ガヴと黒ガヴの関係って「完全であるアギト」と「不完全なアギトであるギルス」に似てますよね。ガヴ冒頭が海岸で倒れた主人公で始まる点も踏まえると『ガヴ』という作品自体が『アギト』を強く意識しているのかなと思ったりもします。
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