
出典:ガンバライジング公式様
総合戦闘力

スペック
グリス(通常形態) | |
パンチの威力 | 31.3t |
キック威力 | 34.3t |
ジャンプの高さ | 54m |
100m走のタイム | 2.5秒 |
引用:仮面ライダー図鑑
基本情報
『仮面ライダービルド』に登場する3人目のライダーです。「日本が3つに分裂し内戦状態」という世界観において「敵国のライダー」として登場しました。
「敵国のライダー」と表現すると悪役のような印象を受けますが、実態は「従業員の生活費を工面するために全てを投げ売ったジャガイモ農家」です。
そもそも『ビルド』の世界で内戦状態に陥っているのは、雑に言うと「火星のエネルギーが暴走して日本の環境や政治家が狂ったから」ですが、グリスが住んでいた「北都」も多大な影響を受けます。
変身者である猿渡一海は、かつて大地主として農場を経営していた訳ですが、火星エネルギーの影響で土壌が変化してしまい、厳しい経営状況に置かれます。
地域全体としても「学校に通えない子ども」「他地域への亡命を図る人々と弾圧する政府」といった具合で某国を連想させるような暗さがあります。
そのような状況で周囲を支えるために彼が選んだ道は「人体実験を受けて政府の命令に従う」でした。
そんな背景もあってか「戦争に臨んでいる」という自覚が誰よりも強い存在として描かれます。
「民間人には危害を加えない」という最低限の優しさを見せつつも「仲間を殺した敵への恨みを引きずらない」という割り切った側面もあり、これは「戦争の厳しさ」を理解し強い覚悟がある証左だと感じます。
決してドライな性格ではなく、むしろ「仮面ライダーになった経緯」を鑑みれば情に厚い以外の何者でもないですが「罪(戦争)を憎んで人は憎まず」を徹底した価値観なのでしょう。
その価値観は終盤までブレる事はなく『ビルド』作品人気の根幹である「男子4人組」を違和感なく成立させるのに多大な貢献をしていたと思います。
やはり4人目のライダーである「ローグ」は序盤の非行があまりにも酷すぎであり「こんなヤツ許して良いんか?」という視点があるべき存在です。
確かにローグ自身の「罪を償う気持ち」と強烈なギャグ補正で許された印象が強いですが、個人的には「グリスが上手く彼を馴染ませたな」という印象です。いくら奇抜なファッションを披露しても「ヒゲ」呼ばわりが無ければ愛されなかったやろ、あいつ。
最終盤まで強化形態がなかったこともあって「強さ」という意味では回を追うごとに影が薄くなりましたが、作劇上の存在意義は抜群であり、全ライダー中10位の人気っぷりは伊達じゃないです。
いくら大地主とはいっても彼は29歳の設定ですからね。その若さでありながら「責任から目を背けない姿勢と覚悟」こそ、彼が「カシラ」として慕われる所以なのだと思います。
強さ解説
火力
打撃実数値としては、いずれも「ゴースト ムゲン魂」を超えており、基本フォームとしては結構良い水準ではあります。
「キックは強いけどパンチは微妙」というキャラは相当数いますが、グリスの場合は同程度の実数値でありバランスは良いと感じます。
これに「ツインブレイカー」による刺しが加わる事を踏まえると一定の殺傷力は期待できます。
その一方で「必殺技の決定力」という観点ではローグの「成果出すキック」と比べるとインパクトに欠けます。
汎用性
腕に装着された「ツインブレイカー」が遠近両用であり、ひとまず攻撃手段は確保されています。
腕への装着なので、銃のように落としたり奪われるリスクが無い点で優秀と言えるでしょう。
各種ボトルの力を引き出すことも可能で「ヘリコプターで飛びながら射撃」は便利そうな印象を受けました。
ただし当然ですが、各種ボトルに関しては「持ち合わせ次第」な側面が大きいため「グリス固有の能力として安定して発動可能」とは言えません。
機動力
100mを2.5秒で走り抜けるスピードは非常に速い部類ですが、同作品における既出の「スパークリング」には劣ります。
ジャンプに関しては主人公の基本形態である「ラビットタンク」に僅か1m差で劣ります。
そもそもグリス自体が見た目からしてパワー型なのはありますし、その割には高い水準だと思います。
総じて「歴代シリーズ全体としては高水準だが、作品としては埋もれている」印象です。
特殊能力
目立つのは「戦闘が進むに連れて尻上がりに強くなる」でしょうか。ただし裏を返せば「スロースターター」でもあります。
また変身前の状態で、通常の怪人(戦闘員ではない)をパンチ1発で撃破している点も印象深いです。
一応は「変身前でも強くなれるアイテム」を握っていたという要因はありますが、変身者自身の戦闘能力は高いと考えて良さそうです。
他にも「ヘリコプターで飛ぶ」「消しゴムで撤退する」といった能力を披露してますが、先述の通り「ボトルの持ち合わせ次第」という要素が付き纏います。
ローグはお手軽撤退用の銃が専用装備だっただけに、こちらは少々利便性に欠ける印象は否めません。
うっかり変身した場合の戦闘マニュアル
・敵は一般的な怪人(シリーズ序盤の敵くらいの強さ)で、変身した時点で対峙している想定。
- ツインブレイカーに「ライト」「UFO」のボトルを装填
- 目眩しを仕掛けつつ召喚したUFOが敵をバラバラに解体する
正直グリス自体の能力にそれほど光るモノを感じませんので、基本的には「ツインブレイカーに手持ちのボトルを装填する」戦法になると思います。
上はあくまで一例ですが、両腕にツインブレイカーを装備して「ボトル4本乗せ」なんて攻め方もアリかもしれません。
有利な敵
仮面ライダーバロン
グリスの「スロースターター」は性能というより変身者に起因する印象を受けます。同型のベルトを用いる「クローズチャージ」は特にそういった性質は目立ちませんでしたし。
そうなると変身者である「一海の闘志を燃やす=ブチギレさせる」が一番手っ取り早くエンジン全開に運べそうです。
グリス同様にバロンもチームにとっての「カシラ」である訳ですが、彼は最終的に全てを振り払って「力」に溺れてしまった存在です。
地主として、ライダーとして最期まで「カシラ」であり続けたグリスにとっては下手な悪役より逆鱗に触れそうではあり、早々にフルパワーで戦えるのではないでしょうか。
不利な敵
仮面ライダー電王(ソードフォーム)
「最初からクライマックス」はグリスの対義語みたいなモンでしょう。
ベストパートナー
仮面ライダー羽撃鬼
グリスの良い所として「一般人寄りな人物像」があり、割と素朴な価値観なのかなと感じる場面もあった印象です。
それこそ仲間は「天才物理学者」「総理大臣の補佐」「万丈」といった具合に並外れた存在に囲まれる中で、彼だけは「ジャガイモ農家」ですから親近感も抱きやすかったでしょうか。
同じく農家のライダーとしては『7人の戦鬼』に登場した「羽撃鬼」というライダーがおり、彼の場合は妻子持ちで「家庭第一」な姿勢が印象的でした。
従業員か家族であるかという違いはありますが、どちらも戦意が「農業を通じて繋がる人々」に根差しているのであり、実直な姿勢も含めて似ているのかなと感じます。
強い?弱い?
弱くはないんだと思います。実際に作中でも「スパークリング」に正面から押し勝つ描写がありましたし、仲間になった後もそれなりに活躍もしていました。
ただ、なんかこう「グリスならではの強み」というのがイマイチ見出せないと言うのが率直な感想です。
比較時期のハザードレベルに依存するでしょうが、純粋な機能面に注目すると「ベストマッチフォームの方が色々できて強くね?」と個人的には思います。
やはり「拡張性がない」と言われがちな「スクラッシュドライバー」の定めなのか、終盤は力不足が目立つなぁという印象です。
グリスの場合は、同型のベルトを用いる「ローグ」が有能だっただけに、尚更印象が悪いのかもしれません。
とはいえ最期の見せ場は別形態に譲っているし、そもそも「強さ」より「キャラの魅力」を推している存在でもありますから、変に強すぎないくらいで丁度良いとも思います。
総じて「確かにビルドを圧倒した時期はあったけど、他作品に対するアドバンテージはビルドの方が多く取れる」というのが個人的な見解です。
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