
出典:ガンバライジング公式様
総合戦闘力

スペック
| クローズビルド | |
| パンチの威力 | 64.2t |
| キック威力 | 70.5t |
| ジャンプの高さ | 91.8m |
| 100m走のタイム | 0.8秒 |
引用:仮面ライダー図鑑
基本情報
『仮面ライダービルド』の夏映画に登場した限定フォームです。
『Be The One』の副題どおり、戦兎と万丈の融合フォームとなります。
能力的には「ラビットドラゴン」の上位互換と言えますが、時系列としては「夏映画→最終回」の順番なのが面白いですね。
この映画は改めて観ると「結構攻めてる」印象を受けます。シナリオが完全にテレビ本編を前提としており、物語序盤の展開を覚えていないと理解しにくい箇所が多いです。
もちろん大人が観る分には問題無いでしょうが、小学生時代の私が観ても理解出来なかっただろうな、とは思います。
というのも仮面ライダーの夏映画は初心者でも分かりやすいように「番外編」にする事が多く、特に「ファイズ」や「響鬼」に至っては「本編とは全く無関係な世界観」が描かれています。
本編との繋がりが比較的強いとされる「ダブル」に関しても、あくまで時系列をハッキリさせるに留まる印象であり、本編を前提としている作風ではないと感じます。
一方のビルドは夏映画の中で「テレビ本編の一部ネタバラシ」が行われており、特に「エボルトの出自」や「万丈の恋人を人体実験した背景」について言及されています。
更には「戦兎と万丈が出会った背景」まで明確に明かされるため、やはりテレビ本編を前提としている感は強いです。
裏を返せば「テレビ本編を観ている人にとっては超面白い映画」とも言える訳ですが、子供向けの特撮作品としては随分と攻めてくれたなという印象を受けます。
もちろん「映画を観なければテレビ最終回を楽しめない」という事は全くありませんが、同時進行で展開されるテレビ終盤とのシナジーは強く感じられる作品です。
そんな作品の目玉として登場した「クローズビルド」ですが、もう作中通して戦兎はずっと万丈のことばっかり考えてるんですよね。
仲間との思い出を語る場面でも「一に万丈、その次に女ヒロイン等」という価値観が見え隠れしており、靴の色でも「戦兎×万丈」を主張する徹底ぶりでした。
その後の万丈救出シーンはロマンス映画みたいなフィルターまで掛かっており、まるで万丈が儚い美少女であるかのような演出となっています。
ここまで明確に「戦兎×万丈」を強調されてしまうと、もはや女ヒロインが入る隙は無く、何なら裏人格の火星王妃がしゃしゃり出てきてカップリングを推す始末。
戦兎のパパもまるで「万丈が運命の人だ!」と言わんばかりの遺言を発しており、ついに満を持してBe The One、クローズビルドが誕生しました。
強さ解説
火力
実数値としては「ジーニアス以上、エボル(フェーズ4)以下」という水準です。
ただし設定を見ていくと火力バフ要素が複数記載されています。
具体的には
- 敵の装甲に関係なく一定ダメージ
- 変身者の熱い想いで火力上昇
- ベルトのレバーを高速で回転させて火力上昇(必殺技)
- 想定外の威力を持つ(必殺技)
とされています。
①に関しては「ラビットラビット」や「タンクタンク」と同じ文言であり、ハザードの「防御無視」とは差別化されていると思われます。
③に関しては「回転数と必殺火力って比例するんだ…」というのが正直な感想です。
②と④はご都合主義上等な感じですかね。「終盤で仲間達が融合する」という黄金の勝ちパターンを確固たるものにする性能と言えます。
そして何よりチートなのが「格闘攻撃の威力と速度を敵と同程度にまで引き上げる」です。素直に解釈すると「エボルの3000トン火力に対抗可能」となり、これは流石にブッ壊れ性能です。
ただしあくまで「敵に追い付く」という性能であり「逆転する」性能ではありません。
誰が相手でも「勝負の土俵に立てる」という意味では優秀ですが、必ずしも勝利を意味する訳ではないと思います。
24点にしておきます。
汎用性
クローズビルド自体の能力としては北斗百烈拳やドラゴンの召喚が可能です。後者に関しては鮮明に描写されており、龍騎の「ドラグレッダー」に近いイメージです。
またジーニアスボトルを原材料としているためか「60本のボトル成分が含まれる」という趣旨の記載が存在します。
恐らくジーニアス同様に「全フォームの能力を扱える」と考えて良いでしょう。
無敵化や音速飛行、分身などと至れり尽くせりです。25点。
機動力
ジーニアスの能力を踏襲すると「飛べる・泳げる・速い」は揃っています。
この時点で言う事ないですが、クローズビルド自体にも「運動速度2倍」があるため、もはや過剰な印象を受けます。27点。
特殊能力
汎用性や機動力面で「ジーニアス前提」として高く評価したので少し厳しめに見ると「安定して変身できない」は気になるところです。
もちろん後発の「ラビットドラゴン」よりは安定しており、戦闘終了まで変身を維持しましたが、その後はクローズビルドへの変身能力自体が消失しています。
この形態になるには戦兎と万丈の実力に加えて「火星の王妃」の助力が要求されます。
本作ヒロインに憑依していた王妃ですが、本編最終回時点で完全に消滅しており、現時点では再変身できない可能性が高いです。(ファイネルステージは考慮していません)
まぁ御都合主義全開な融合フォームを頻発されたら色々困るので当然の扱いではありますが「ゴールドエクストリーム」がタジャドルの風で再変身できた点を踏まえると若干見劣りはします。
また「ジーニアスに金ウサギと銀ドラゴンを上乗せ」した強さとはされてますが、クローズドラゴンの設定や演出を見ると「それってジーニアスでも出来るんじゃね?」と個人的に思う点はあります。
例えば「ドラゴン召喚」に関しては「ライオンクリーナー」で似たような事をしていたし、そもそも素クローズが必殺時に発動していた事を踏まえると、それらを全て兼ねるジーニアスで再現できる可能性は十分にあると思うんですよね。
裏を返せば「何でもできるジーニアスの御都合主義要素が加わった」とも捉えられるので、強い事は間違いないです。
万丈と戦兎の息が合わないとマトモに戦えない描写に加え、私の主観と点数調整的な側面を多分に反映させた結果ですが、21点とします。
うっかり変身する場合の戦闘マニュアル
・敵は一般的な怪人(シリーズ序盤の敵くらいの強さ)で、変身した時点で対峙している想定。
- 戦いに赴く前に焼肉の準備をしておく
- ジーニアスの汎用性を活かしてRTA
余程の格上相手じゃない限り、基本的な戦術はジーニアスフォームと同様で良いと思います。
クローズビルドの場合は「万丈と息を合わせる」事が要求されますが、帰宅後の焼肉セットを準備しておく事で「速攻で片付けて肉を食う」という目標に向けて団結可能です。
有利な敵
仮面ライダーサウザー
クローズビルドは変身者2人の息がピッタリ合わないと実力を発揮できない性能であり、実際にバトル開始直後はマトモに戦えていませんでした。
この手の問題は友情とか奇跡的な要素で解決されがちですが、彼らの場合は「敵による煽りに2人揃ってイラついた」という形で解決しています。
武闘派タイプの万丈と理屈っぽい戦兎は衝突する場面もありますが、共通の敵に対して「なんかムカつくな」で一致団結できそうな単純さは感じ取れます。
それこそサウザーのように必要以上の煽りを行う存在は、一先ず戦兎と万丈が上手く連携をとる上で都合が良さそうです。
オーマジオウ(2068)
「オーマジオウに勝てる」とまでは流石に言えませんが「勝てる可能性が他より高い」という評価はしても良いと思います。
やはり「対戦相手と互角になる格闘攻撃の火力」は敵が強ければ強いほどに真価を発揮する性能と言えます。
もちろん互角になるだけなので「オーマジオウに対する決定打」としての期待は出来ませんが、一先ず土俵に立つ事はできます。
では「オーマジオウに対する決定打とは何か」改めて考えてみると「御都合主義」くらいしか見当たらないんですよね。
実際にオーマジオウは、同じく融合フォームの「ジオウトリニティ」に膝をつく描写もあり「友情」という作劇上の要素が有利に作用したと捉えられます。
その意味では「主人公2人が1年かけて育んできた友情の集大成」であるクローズビルドは高適性と言えるでしょう。
不利な敵
仮面ライダーカリエス(C3)
クローズビルドへの変身は1度きりであり、戦闘後にはアイテムが消失しています。
変身アイテムの消失が確定するタイミングを「変身した時点」として考えるか「必殺技を発動した時点」と考えるかは難しいですが、前者だと仮定すると「ベルト外し」は非常に有効です。
一度でも変身を解除できれば再変身不可なので、強引にベルトを狙う意義は大きいと言えるでしょう。
ガヴ夏映画に登場したカリエスは「ベルト外しマスター」であり、そもそも着脱式ではないベルトまで外しています。
C3であれば超スピードで動けるため、戦闘開始直後の戦兎と万丈がゴチャついてる隙に速攻でベルトを外しに行けば勝ち筋を見出せるかもしれません。
仮面ライダーダブル(CJゴールドエクストリーム)
御都合主義の度合いでビルドが若干劣る印象を受けます。
最強フォームに更なる上乗せ、主人公達の融合、劇場版限定といった多くの要素で一致する存在ですが、決定的に異なる要素があります。
それは「民衆からの声援を受けられるか」です。敵による民衆の洗脳があったため仕方ないですが、ビルドは「民衆にブーイングを受けながら戦う」という演出でした。
一方のダブルは「民衆の応援を受けて強くなる」というヒーローとして王道のド真ん中をいく展開となっており、御都合主義の強さは流石にダブルが優れている印象を受けます。
ベストパートナー
仮面ライダーフォーゼ(メテオナデシコフュージョンステイツ)
クローズビルドは「戦兎×万丈」の印象が強いですが「+ベルナージュ」という側面もあります。
「ラビットドラゴン」との差別化点もそこですし、3人の融合として解釈するのもアリなのかなと思ったりします。
力の組み合わせは「主役+2号ライダー+女性キャラ」となりますが、この組み合わせはフォーゼと完全に一致するんですよね。
女性キャラが宇宙由来な点や劇場版限定である点まで同じであり、非常に面白いです。
仮面ライダーギャレン
クローズビルドは敵の強さに比例して自身も強くなる性能なので、やはり格上相手に挑みたいです。
格上と戦うシチュエーションで連れて行きたいのは、やはり橘さんでしょう。
流石にエボルト相手にギャレンが勝てるかといったら厳しいと思いますが「エボルトリガー」の破壊といった有能ムーブで爪痕を残しそうな雰囲気はあります。
「覚醒したギャレンによる部位破壊」+「御都合主義上等なクローズビルドのラブ&ピースフィニッシュ」は強敵攻略において一種の最適解と言えるのではないでしょうか。
強い?弱い?
間違いなく最強格には入ってくるでしょうね。
「ジーニアスフォームの汎用性」と「敵と互角に調整される格闘の威力」の両輪で強さを説明できる性能であり、特に後者に関しては半ばヤケクソ感のある設定です。
ただし変身のハードルは非常に高く、変身アイテムの獲得には火星の王妃の力が必要であり、変身解除後はアイテムも消失してしまいます。
火星の王妃が既に完全消滅した事を踏まえると再変身のハードルは非常に高いです(ファイナルステージは考慮していません)。
裏を返せば「変身のハードルに見合った実力」とも解釈できますが、総合的には「安定して実力を発揮できるエボルトを高く評価したい」というのが私個人の価値観です。
また「戦兎と万丈の息を合わせる必要性」も地味に厄介だと思っており、彼らの深い関係性はホンモノですが、常に意見が一致するような組み合わせではありません。
どちらかと言うと「衝突を繰り返して仲を深める」タイプの友情ですが、これは同時に「息が合わない期間」もそれなりに想定される事にはなるでしょう。
とはいえ、総じて高いスペックに加えて御都合主義を味方にした事で「登場=勝ち確」のような印象が強く、多少の粗はあれど「最強格」と言って良いと思います。




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