仮面ライダーゼロワン(メタルクラスタホッパー)の戦闘力

戦闘力

総合戦闘力 

スペック


メタルクラスタホッパー
パンチの威力44.8t
キック威力93.0t
ジャンプの高さ102.9m
100m走のタイム1.2秒

引用:テレビ朝日公式

基本情報

 仮面ライダーゼロワンにおける3つ目の中間フォームであり、少々異質な形態です。まず見た目ですがゼロワンで唯一ベースカラーそのものが変化しています。他はその後登場するさらなる強化フォーム含めて同一の黄緑をベースとしているのに対し、メタルクラスタは銀色です。

 それを反映してか変身音も他とは系統が大きく異なり、このフォームだけ無機質な機械音に近い印象を与えるものとなっています。そもそもの出自も自社製品ではなく、競合他社であるZAIAと敵組織の技術で制作されたものであり、原則として自社開発のアイテムで変身するゼロワンの形態としては異例です。

 一応はシャイニングアサルトホッパーという近しい前例はありますが、あれは「自社製品に敵対勢力のパーツを上乗せする」形式によるものであり、メタルクラスタのように「完全に敵勢力のアイテムのみ」の形式はテレビ本編では唯一です(映画は別として)。

 当然ながらリスク無しとはいかず「自我と身体が連動せず暴走」という性質から、生身の人間を殺しかける事態にまで発展しています。メタルは「金属」、クラスタは「群れ」を意味する単語であり、自分の意思とは関係なく金属製のバッタが大量に自身に纏わり付いた状態が彼の姿です。

 実際に戦闘時は彼の肉体が剥がれるように大量のバッタが発生し、作物を食い荒らすバッタのように敵を襲います。また宿主を守るかのように群れが集合することで堅牢な盾を形成する等、変身者はバッタの住処に過ぎず、戦うのはバッタの群れで制御出来ない仕様でした。

 もちろん主人公ですから敵の命を奪うことは望んでおらず、変身を躊躇うようになります。しかし他社製品を使用した影響で、自社製品がベルトに反応しなくなり他フォームへの変身が出来なくなります。

 ザックリ言うとメタルクラスタは現実のネットに蔓延る「違法バイト募集」や「過激な誹謗中傷」等の側面を集めた「悪の知識」を扱うのに対して、ゼロワンは「有益なライフハックの発信」や「孤独を解消するコミュニティ」といった「人を救う善意の知識」を扱うといったイメージです。

 相反する力が一つになった当初は「悪の知識」に支配されましたが、それまで主人公が行動で蓄積してきた「善意のデータ」を結集した武器を手にする事で、悪の知識を上書きし、月並に言えば「暴走を克服」して力を制御できるようになりました。

 その特殊性ゆえに扱いにも恵まれており、作品後半は「メタクラがサウザーをボコって終わる」展開がパターン化していた印象で、敗北している描写も少ないです。また格上の強敵もサウザーとの共闘ではありましたがメタルクラスタで勝利しており、最強フォームである「ゼロツー」と比べても存在感がありました。

 特に劇場版では「ゼロツーで敗北した敵」に対して善戦すると言う有能っぷりを魅せており、これも彼の高い評価を補強する要素となっています。流石に勝利とまではいきませんでしたが、基本的に強敵相手でも「手も足も出ずに完敗する」ことは殆どなかった存在です。

 ファンの間でも「ゼロワンとしての」実質的な最強フォームとする意見が多く見られます。これは「中間フォームでありながら明らかに他2つより強いこと」「その後のゼロツーは全く別のベルトを用いた新ライダーであること」「最終フォームが本編クリア後に獲得するトロフィー要素であること」を根拠とした意見であり、かなり的を得ていると思います。

 ただ「ゼロワンとして」を強調するのであれば「社長として」の要素も強調したく、であれば自社製品を使用する「シャイニングアサルトホッパーが最強フォーム」とした解釈も可能になるので難しいところです。

 まぁ出自や見た目の特殊性・異質性を踏まえても、最終的には自社開発の武器を手にしたことで完成した姿でもありますし、ここを強調するなら文字通り「社長たるゼロワンが完成させた最強のフォーム」といって間違いないと思います。

強さ解説

 コレが中間フォームってマジ?

 まず当たり前のように歴代ライダー最強フォームと比較しても上位の基礎スペックを備えています。ファイズブラスターくんが泣いとるよ?

 力を制御する前は主に「自身を構成するバッタを使役した戦法」が目立ちました。金属製であるためか、このバッタは非常に硬いです。公式設定ではダイヤモンド並の硬さと推測され、加えて自由に硬さを変動させることが出来ると記載されています。

 例えば強いパンチをガードするにしても「ただ固いだけ」では割れてしまう可能性があります。一方で「柔らかい状態から徐々に固くなる」性質であれば、ある程度の衝撃を緩和しながら確実にガードできるようになる訳です。

 劇中でもバッタの集合体を盾として用いる描写がありましたが、物理的に破壊されることは殆どありませんでした。便利なガードはシャイニングアサルトホッパーの時点で存在しましたが、堅牢さ含めて明らかにメタルクラスタが上位互換です。

 ただしメタルクラスターが他2つの中間フォームの存在意義を完全に奪ったかというと性能面では奪っていません。あくまで描写レベルの差異かもしれませんが、特にシャイニングホッパーの予測演算と超スピードを活かした先読み戦法、アサルトホッパーはガード兼ビーム砲によるガンダムバトルといった具合に戦法は随分と異なります。

 メタルクラスターも力を制御した後は変身者の戦闘スタイルが反映されたため、若干個性を失った印象こそありますが、バッタの使役自体は恐らく可能と思われますので3者とも向きの違った強みを持ってはいます。まぁ映像描写的にはメタルクラスターが別格に強いのですが…。

 それまで歯が立たなかったサウザーを一方的に倒し、その後の敵であるアークゼロや劇場版ボスに対しても一定以上は対抗出来てしまう等、中間フォームとしての領域を完全に逸脱した存在と言わざるを得ません。

 単純な強さだけでなく「ハッキングされたAi」を正常化する剣も所持しており、特殊性もバッチリです。またパワー型っぽい佇まいですが、100走が1.2秒というゴリっゴリのスピード型と言える具合で、なんかもう「適当に性能盛りまくったろ」の精神を感じる強さです。

 

うっかり変身した場合の戦闘マニュアル

・敵は一般的な怪人(シリーズ序盤の敵くらいの強さ)で、変身した時点で対峙している想定。

  1. 剣でエネルギー刃を飛ばし、敵の足を狙う。
  2. 足を部位破壊し機動力を削いだら、全力で剣を投擲し敵に突き刺す。
  3. 敵に急接近し、刺さった剣ごと敵を上空に投げ飛ばす。
  4. 自身の装甲であるバッタを全て上空に飛ばす。
  5. 上空でバッタが敵を喰らい尽くす。

 初手でバッタを飛ばすのも良いですが、バッタは自身の装甲でもあるので無闇に使用すると防御が手薄になるリスクがあります。没個性ではありますが、エネルギー刃を飛ばす戦法で敵の弱体化を狙いましょう。

 ④の時点で敵が反撃してくるリスクは限りなく低いですが、一方向にバッタを飛ばすことで万が一にも反撃された際にガードとして機能します。基本的には2度と地上に落下させずに、跡形もなく消し去ろうという作戦です。

有利な敵

仮面ライダーシン

 回復力に優れたシンは貫通攻撃すらも耐える強さを誇ります。一応彼には炎という弱点があり、回復力問題を回避して攻略するのが一般的な戦略となりますが、メタルクラスタに関しては回復能力問題と真っ向から争うことが可能です。

 メタルクラスタが劇場版で全戦した敵は「ナノマシン」によって構成された存在であり、非常に修復力の高い存在でシンに近い性能でした。これに「バッタの大群を纏わり付かせて喰わせる」事で「回復速度を上回る持続ダメージ」を与えることに成功しており、かなり特殊な攻撃手段となります。

 シンも優れた耐久力を有しますが、ダメージ自体は受けるのであって回復速度を上回られては厳しいのは確実ですから、持続ダメージ適性のあるメタルクラスタは特効キャラとも言えるほどに有利な立ち回りが期待される存在でしょう。

不利な敵

仮面ライダークウガ(アルティメットフォーム)

 「超自然発火能力」とかいうチートを使うやつです。これは敵を内側から燃やす技ですから盾や装甲でガードできる類のものではないです。メタルクラスタの金属・バッタ両方の性質を考慮しても熱に強い耐性があるとは考え難く、加えて防御無視で変身者本体にダメージが入ることを考慮すると「メタルクラスタの強みを完全に潰す」性質を持ったライダーです。

 クウガに関しては平成屈指の強キャラですし、上記の発火能力も互角の力を持った存在が3万人以上を虐殺した実績を誇る極悪な技となりますから、中間フォームであるゼロワン側が勝てなくとも仕方がないです。

仮面ライダーフォーゼ(マグネットステイツ)

 メタルクラスタの肉体は一見すると装甲に見えますが、実際はバッタの大群が密集して装甲のように見えているイメージに近いです。そしてバッタは「金属製」ですから強力な磁石を使って対抗できる可能性があります。

 まさにマグネットステイツは磁力特化の代表格ですが、例えば彼が磁力を操作して金属を吸引する事により「ゼロワンから装甲を引き剥がす」といった芸当ができるかもしれません。実質的に裸にされた無防備なゼロワンに必殺技をぶつければ勝てるといった寸法です。

ベストパートナー

仮面ライダービルド(ラビットタンクハザードフォーム)

 メタルクラスタの初陣を観て、誰もが真っ先に思い浮かべたのが「ビルド」でしょう。彼もまたシステムに自我を乗っ取られる事で「敵を殺しかねない」戦い方を実践する存在です。ただしゼロワンに関しては「命を奪う前に暴走を克服」しており、ビルドと比べて随分と恵まれています。

 二人とも暴走時の動き方が「無機質」で無駄のないものとなっており、倫理観を無視して考えると「暴走してた方が強くね?」と感じるほどです。首を掴んで持ち上げながらの持続ダメージは鬼畜ですが「敵を倒す」という目的においては合理的です。

仮面ライダーオーズ(ガタキリバコンボ)

 バッタの大群といったらコイツでしょう。無数の変幻自在なバッタと人型の電撃マシマシバッタ50人が押し寄せて来たら流石に怖いです。メタルクラスタの小型バッタも一つ一つCGにしたら莫大な予算になりそうで、違った意味でも恐ろしいでしょう。お互いに「作中の立ち位置の割に扱いが恵まれている」意味でも似ています。

 現実にバッタの大群による食物荒らしは世界的な問題となっています。「蝗害」と調べると様々なニュースが出てきますが、日本人がイメージするバッタとは異なり、アフリカ等では「凶暴な生き物」として認知される生き物です。『シン仮面ライダー』でも「バッタは群をなすと凶暴化する」と言及されていますが、その実害は計り知れません。

 それこそ仮面ライダーに関しては根本に「ロンリー仮面ライダー」という基本があるわけで、パワーバランスも維持される訳ですが、それだけに「群れ」という性質を武器にした例外的なライダーの強さが際立つのでしょう。

創世王(BLACK SUN)

 本体たる自分自身は意のままに動けないのに、肉体や存在だけが利用されていく存在です。創世王は第二次世界大戦期から令和までの間ずっと自身が利用されるのを見ているしか出来なかった訳で、まともに自我を保っていたのかさえ怪しいです。

 同じくバッタの能力に支配されかけたゼロワンも、自身の肉体から飛び立つバッタを見守る事しかできず、これが80年近くも続けば自我が崩壊するでしょう。本当に不破さんがファインプレーです。

強い?弱い?

 間違いなく強いと断言できます。中間フォームとして期待されるレベルを完全に逸脱しており、スペック・実績の両面から考えても最強フォームの領域に片足を突っ込んでいると言わざるを得ません。

 『ゼロワン』という作品は強さインフレが非常に激しく「強化フォーム登場=既存フォームは御役御免」くらいの勢いで完全上位互換が登場してしまい、実際の使用頻度もガタ落ちする始末です。その中で唯一と言って良い「更なる強化フォームが登場しても出番がある」存在であり、単純な強さに加えて「他との差別化」にも恵まれた存在です。

 それこそ「ゼロワンとしての最強はメタクラ」「別個体としての進化がゼロツー」「最終がリアライジング」と言った棲み分けがされる程には存在感があり、他二つと比較しても完全下位互換とは言えない明確な強みがあります。

 暴走克服後は若干戦い方が弱くなった印象を受けますが、能力自体が消失したわけではないでしょうし、依然としてフルスペックで戦う事は可能だと思われます。中間フォームでありながら全ライダーで見てもトップ層と言って過言では無いでしょう。

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