描かれた内容
- 主人公は夢の中では超優秀なエージェント
- 夢の中なので場所の移動や戦法が変幻自在
- 一方で現実世界では不自然なほどに不幸
- そんな不幸な主人公を心配する妹が存在する
- 怪人は夢の中に登場し悪夢に変える
第1話にして惚れました
世界観や細かい設定はまだまだ不明事項が多いですが、まず言えるのは「カッコイイ」です。いや本当にこの一言に尽きる…。主人公の「莫」の逆三角形な肉体美と華麗な射撃シーン、全体的に洋風ホラーゲームや『007』を想起させる演出で非常に新鮮な印象を受けました。
特に莫が悪夢の中で逃げ惑うシーンは完全に「洋風作品にありがちな精神問題で苦しむ演出」に似ており、良い意味で「仮面ライダーらしくない」印象です。その後の変身アイテム入手シーンも「大人向け雰囲気ゲームのチュートリアル」のような雰囲気で非常にオシャレ。
ベルトを入手したガレージも日本らしくない内装でしたが、その中に溶け込んでいる「サイクロン号のようなバイク」がなんとも味わい深い…。
そして遂に登場した仮面ライダーゼッツは「1号×RX」のような王道の外見であり、これにファイズのようなスーツ発光まで描写されちゃうと殆どのライダーファンは惚れたんじゃないかと思います。
謎① 家族について
「主人公を心配する妹」が登場していますが両親は登場していません。定職につかない莫は「妹に迷惑をかけ続けるわけにはいかない」という発言をしており、何らかの事情で両親は死亡している可能性が高いと思われます。
妹は「莫が人助けをする夢を見ること」に否定的であり、現実では夢を見ないように懇願しています。
ガヴ最終回に客演した際に「人助けをすると不幸になる」という趣旨の発言がありましたが、莫はこれまでに「落雷に直撃する」「サメに噛まれる」「隕石が直撃する」といった野上良太郎もビックリするレベルの災難にあっている事が判明しています。
常識的に考えてあり得ないくらいの不幸であり、更に生還している事実はギャグではなく何らかの伏線と見て良さそうな感じはします。
- 莫の不幸体質は遺伝的なもので両親も人助けのために死んだ
- だから妹としては莫に同じ末路をたどって欲しくないと願っている
- 災難に遭う莫だが両親の加護があって毎回生還している
くらいの展開はあってもおかしくない気はします。私の勝手な妄想ですけどね。
ちなみに漢文における「莫」という字は「無し」という意味で解釈する場合が多く、基本的にはネガティブな意味合いになります。主人公のフルネームは「万津莫」ですが「全て無し」という解釈で良いんですかね?
謎② 世界観について
まだまだ謎だらけな世界観ですが怪人による事件を「ブラックボックス」と呼称しており、一瞬だけ映った資料を見ると「2000年から発生している児童失踪・連続放火・行方不明等の事件」である事が記載されています。
またゼッツのコードネームは「セブン(7)」であり、必殺技の演出も「777がZZZに変化する」内容で全体的に「7」を強く意識している事が分かります。これは恐らく令和ライダー7作目である事を受けての演出だと思いますが色々と勘繰ってしまうものがあります。
平成7作目は『カブト』でレギュラーな作品でしたが、昭和ライダー7号の『ストロンガー』は「最終回で歴代主人公が全員オリキャスで集結する」というクロスオーバーの極地と言える展開を描いた作品です。
今年は特にanniversary yearでも無いはずでクロスオーバーをやる必然性は薄いですが、「初の海外展開」「原点回帰なデザイン」という要素を踏まえると可能性はゼロではないかな、とは感じます。
まぁ夢の中の住人として登場する歴代ライダーであれば、ある程度は設定度外視で扱いやすいだろうし。特にゼッツの「夢の中で理想の自分になれる」という設定が『ディケイド小説版』に似ていて、これもクロスオーバーを意識してしまう要因かもしれません。
個人的には本編でのクロスオーバーは10作目までは無しで良いと思っていて、やるにしても劇場版くらいに留めて欲しいのが本音ではあります。
とは言っても歴代作品との繋がりを匂わせる小ネタは決して珍しいものでは無いですし、ゼッツの世界観は非常に魅力的なので単体での独立した作品に仕上げる路線だとは思います。
まとめ
歴代でもトップクラスに惹き込まれる第1話でした!やはり「海外進出」を意識しているのが強く伝わってくる演出で、日本人ファンとしても新鮮味があって楽しめそうです。
『ガヴ』の時点でもアクションシーンが非常に工夫されている印象でしたが、ここで全く異なるテイストで魅了する技量は流石だと思います。50年以上続くシリーズなのにマンネリを脱却しつつあるのが本当にすげぇ。
まだ第1話なので不明事項も多いですが「夢の世界」というテーマはいくらでも膨らませる事が出来そうではあり、同じく精神世界を題材にした『ウィザード』とも差別化できそうな雰囲気です。
兎にも角にも「視聴者をワクワクさせる」という意味で第1話における掴みは大成功と言えるでしょうから、今後の展開も非常に楽しみです!
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