主に描かれたこと
- 第1話からの内容を振り返る総集編
- ストマック家の黎明期~本編への前日談
ニチアサで総集編は結構レア?
今回のガヴは「総集編」であり、物語の進行は特にありませんでした。個人的に把握している総集編は『クウガ』第17話くらいなもので、今回のガヴはとても新鮮な印象を受けました。
ただ総集編とはいっても「第1話の少年を再登場させる」「ストマック家に情報を新たに開示」するといった一応の配慮はされており、過去の振り返りパートも様々なキャラクターの視点から魅せるもので決して退屈な印象は抱かなかったです。
どうしても総集編は「一人の語り手による回想」になりがちですが、それを上手く回避して今後に繋げようとする意思は感じました。特にショウマが「バケモノ扱い」されたことを改めて触れたのは何か意図があるのかもしれませんね。
ストマック家の黎明期
既に開示済みの情報は以下の通りでした。
- ショウマの祖父と、その弟であるデンテが小さなお菓子屋を開業。
- 祖父が闇菓子の魅力に取り憑かれ、デンテが離反。
- 祖父からブーシュ(ショウマの父)に社長の座が引き継がれる。
- ブーシュが「井上みちる」と結婚、ショウマを出産。
- 何らかの要因でブーシュは死亡。
- ランゴ(ショウマの兄)が社長になる。以後は本編へ。
今回で更なる詳細が語られたのは②と⑤の部分でした。
②については「グラニュート世界と人間世界が何故繋がったのか」という点です。まず2つの世界を繋げる扉は「ストマック社が開発したものではない」事が確定し、「祖父が偶然に発見した」という事が明らかになりました。ストマックの巨大な本社ですが、これは偶然発見した異世界に繋がる扉を隠すように建設されたものであるようです。
⑤について、ブーシュの死因は「ランゴによる殺害」であると判明しました。恐らく毒殺か?これでブーシュ復活のラスボス化路線は完全に消滅したでしょう。ランゴ曰く「ブーシュは経営者として無能」だったそうです。
この「無能」という言葉が「人間の闇菓子化を反対し、人間との共存を目指す」という理念であればブーシュに対する評価も変わるかもしれません。まぁ異世界連行軟禁結婚性生活(異種)は中々に業が深いですが「人間とグラニュートの共存のために、両方の血を引いた存在が必要」と考えていて、その理念達成こそが社長の責任として捉えていた可能性もあるのかなと。
ブーシュが「ショウマを無理矢理に強くしようとした」描写が確認されていますが、だとすれば多少は辻褄が合うかもしれません。
今後の展開
- グラニュート世界で大統領選挙
- ランゴの動向→大統領への復讐があるか?
- ニエルブが赤ガヴにどう向き合うのか
- 幸果さんとラキア怪人体が対面
次回予告を見るに「ニエルブがショウマと接触し、共にグラニュート世界に向かう」という展開になりそうです。恐らくですがニエルブの狙いは「ショウマを大統領候補として擁立して現大統領を失墜させ、ストマック家の実権を取り戻す」ことでしょう。
44話でも「大統領のせいで人間と繋がる扉を独占できなくなった」現状に不満を抱いていることが明かされたので動機としては十分ではあるのかもしれません。更に隙を見て「赤ガヴ」の能力に対して何かしらのアプローチを仕掛ける展開もありそうです。
ラスボス予想(44話時点)
ジープ
可能性としては中程度でしょうか。今後の強化も一応は示唆されていますし。個人的にジープの変身ポーズや目の光る描写から、明確に「ショウマとの対照」を意識している印象があるので「仲間に囲まれたショウマ」VS「全てを失った・拒絶されたジープ」の構図は美しくはあります。
→第43話では着実に戦闘力が成長している描写がありましたが明確に赤ガヴには劣るようです。そんなことも知らずに強くなっている事を純粋に喜ぶジープ。少なくともニエルブがジープをどこかで見捨てる展開はありそうで、それを機に更にコンプレックスを拗らせることになりそうです。
下剋上の如く、他の怪人を見返した上で「ジープにとってのラスボスとして」ショウマが存在するという展開は非常に面白そうです。ショウマとジープの対立は「お互いがお互いにとってのラスボス」という構図になりますから、やはりシナリオとして美しいです。
ランゴ
やはり最有力候補です。井上みちるを起点にショウマの家族に関する掘り下げと並行してランゴが想うストマック家という家族についても描れそうです。そもそもランゴが何故ストマック社に拘るのか。その背景に強い家族愛があるのであれば、ショウマとの対比としてはバッチリです。ここで復活したということは塚本高史さんのスケジュールも抑えてるだろうし、よっぽどのことがなければラスボス確定でしょう。
→第43話でも活躍は無し!ただ大統領が人間界に登場したのと「大統領選挙が近い」という発言から、そろそろランゴも大きな動きを見せそうです。
→総集編である第44話においても明確に台詞と新規カットがあり、この点ではジープやリゼルとは別格の扱いを受けています。ブーシュが無能ゆえに殺害したという事ですが、ランゴとブーシュの意思疎通がどの程度出来ていたのかが気になります。例えばですが以下のような展開を想定してみましょう。
- ブーシュは「人間とグラニュートの共存」を望んでいた。
- しかしブーシュは口下手でランゴ達に真意を一切伝えていなかった。
- 何も知らないランゴは「父が人間優先で家族や会社を軽視している」と勘違いした。
- 闇菓子製造に消極的な父のせいで業績が悪化した。
- 「人間と父によって一族が滅びる」と懸念したランゴが父を殺害。人間に対しても憎しみを抱くようになる。
少々強引な展開かもしれませんが、ブーシュは人間のお菓子に魅了されていたんじゃないですかね。それこそデンテ叔父さんは「闇菓子より人間世界のお菓子の方が美味い」という趣旨の発言をしてますし。
そしてブーシュに対してお菓子の魅力を熱心に伝えた存在が「井上みちる」だった、という展開であれば前日談として綺麗です。その上で最後は「人間を犠牲にした闇菓子の味しか知らないランゴ」と「人間と怪人(ショウマ自身)を繋げる人間世界のお菓子の味を知ったショウマ」が決戦するという展開にも持って行けそうです。
撃破されたランゴがショウマに「分け与えられた」お菓子を初めて口にして、ブーシュの真意を全て理解した上で「美味しいな•••」と笑みを浮かべ最期を迎える、であればラスボスの格として充分過ぎるほど魅力的なキャラクターになりそうです。
大統領
第43話で人間界に視察としてやって来ましたが、このタイミングで「ランゴが潜伏する人間界」に来る展開は非常に「死亡フラグ」がビンビンに立っている印象です。やはりランゴに殺されるんじゃないかな。
リゼル
第41話でジープとの関係性が少し進展したように感じます。リゼルの歪んだ感性については是非とも描いて欲しく、描き方によってはラスボスとしての格も十分にあるでしょう。ただ一方でリゼルがジープにとって徐々に大切な存在になりつつある雰囲気もあります。ジープは大切な存在を失う事で悲壮で魅力も増すキャラクターなので、最終的にはジープに愛情を伝えて先立つといった展開も見応えがありそうです。
→第42話では特に動きがありませんでした。次回で人間界に登場しますが、大統領が殺されることはあってもリゼルまで同時に殺される展開は流石に無いんじゃないでしょうか。父親が目の前で殺されたと仮定して、リゼルは悲しむのか、それとも平然としているのかは気になるところです。それこそ「家族を失って復讐に燃える主要人物達」の中で唯一、「家族に関心を持たない人物」として描くのであれば非常に印象的なキャラクターになりそうです。その上でジープにだけ何かしらの強い愛情を抱くという展開であればリゼルの人格に重厚感が出そうです。
→43話で父親との会話が描写されましたが、やはり考え方等は相性が悪い様子で、父親に対する「家族愛」というよりは「権力者」として利用している雰囲気があります。一応は馴れ馴れしく「パパ」と呼んではいますが、あくまでも権力者に取り入る手段としての振る舞いに感じます。
ニエルブ
第42話で大きく活躍しました。先述の通り「コンプレックス」という側面はしっかりと描かれそうです。今回で怪人体が登場し結構マッシブなデザインで意外でした。「やはり赤ガヴか・・・」という発言を残して立ち去りましたが、今後更なる活躍がありそうです。最期は「ニエルブ自身がビターガヴになる」という展開もあり得そうです。何となくですが「完全な赤ガヴ」と「不完全なビターガヴ」という関係性から「僕はどうしても赤ガヴになれなかった・・・」という末路が綺麗だなと感じています。
→ちょっとラスボス化の雰囲気を感じさせてきたかも?
やはり「赤ガヴと手を組む」を実行するのであれば暫くは退場しなさそうではあります。仮にニエルブのラスボスルートを想像するなら以下のような感じでしょうか。
- ショウマと手を組んで大統領撃破を目論む。
- 復活したランゴも上手く利用し、ショウマと協力させて大統領を撃破。
- ショウマの戦闘データを収集し、赤ガヴかそれに匹敵するベルトを開発。
- 自身が変身し、ランゴやジープを用済みとして抹殺する。
- 力に溺れた存在としてラスボスになる
赤ガヴのデータ収集から何かしらの強化はありそうですが、それだけでラスボス化は断言できませんね。それこそ赤ガヴのデータを活用してジープの黒ガヴを更に強化する路線もあり得ます。非常に難しいところですが、相対的なラスボス化の可能性はランゴやジープに現状は劣るでしょう。
まとめ
総集編ということで物語の展開は殆どありませんでしたが、魅せ方は上手だなと素直に感心しました。今後を予想する上でのヒントも多少は提示してくれた感もあり、決して無駄な回ではないのかなと思います。
ただ今回の総集編は意図的なものなんですかね?「制作スケジュールが間に合わなくて」という都合にしてはクオリティが高い気がするし、でも描くべき内容が多く残っている中で敢えて意図的に総集編を入れる必要性があるのかという疑問もあるし。
ただ、劇場版キャラを登場させる必要あった???(笑)。なんか唐突に登場して終わったけど隠された意味でもあるのかな。これも映画を観れば何か分かるのかもしれませんけど。
次回予告では幸果さんにスポットが当たることが示唆されています。これは素直に楽しみ。ただしショウマとは分断された状況下でシナリオが進行しそうなので、ここから最終盤にかけて徐々に幸果さんを描いていき、最終的に何か重要な役回りを果たすことに期待です。
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