主に描かれたこと
- 駄菓子屋の店長はショウマの叔父で確定。名前は「井上まさる」と判明。
- 大統領は「人間牧場」の整備を画策。
- 新たなビターガヴの登場。
駄菓子屋の店主が可哀想
以前よりショウマの母親について調査していた絆斗でしたが、ついに親族に接触します。その親族こそが意味深に描かれ続けてきた「駄菓子屋の店主」でした。駄菓子屋の店主の発言により判明した事項は以下の通りです。
- ショウマの母親である「みちる」は駄菓子屋の妹であること。
- 「みちる」は誘拐された時点で大学生であったこと。
- 誘拐されてから現在に至るまで20年が経過していること。
- 「みちる」はお菓子が大好きだったこと。
- 駄菓子屋の両親(ショウマから見て祖父母)は「みちる」を失った心労が祟って死んだこと。
駄菓子屋の店主が最後に妹と会ったのは20年前であるため、妹が子を産んでいることは知りません。必然的にショウマが自身の甥っ子であることも知りません。駄菓子屋の店主としては今も「妹の生存を願っている」ような描写がありましたが、既に妹は死んでいます。
今後は妹の死を知り、ショウマの出自も知ることになりますが精神崩壊レベルに厳しい事実じゃないか・・・?しかも両親の死も「心労が祟った」と表現されてはいますが「自殺」の可能性もある訳です。
駄菓子屋の店主の立場としては「肉親全員失ったけど甥っ子はいるよ、でも甥っ子は怪物による強引な異種出産で生まれた子だよ」という現実を唐突に突き付けられる訳です。ストマックの父親ホンマにさあ・・・。
駄菓子屋がショウマに対してどのような感情を抱き、向き合っていくのかが今後の物語の鍵になりそうです。ガヴのテーマはお菓子ですが、それ以上に「家族観」も重大なテーマであり、ショウマという人物を掘り下げる上では避けられぬ話題です。ショウマの過去については断片的に語られるのみで詳細は明らかにされていません。
加えてショウマは「自己を顧みずに他者を優先する傾向」があり、自分の本心を積極的に開示しない印象があります。現時点でも精神的に逞しくなったショウマですが、個人的には「過去を乗り越えた強さ」ではなく「過去を封印した強さ」に見えてしまい若干の脆さを感じるため、もう少しショウマの人間性を掘り下げて欲しいなと願っています。そのキッカケとして「駄菓子屋の店主がどのように向き合っていくのか」は最適なテーマだと期待しています。
酸賀さん復活させる必要あった・・・?
新たなビターガヴが登場しました。変身者は非常に分かり難いですが、大統領との権力争いに敗れたグラニュートの遺体に酸賀さんの肉体を合成した上で黒ガヴ(変身ベルト)を移植した存在です。恐らく明確な自我は無く、ニエルブの指示命令を機械的に処理するだけの存在のようです。
素体となったグラニュートの能力として「催眠能力」があり、人間に一定の行動(動物の常同行動に近い)をさせ続けることで、闇菓子の材料として捕獲しやすくする目的で使用されています。恐らく大統領の言う「人間牧場」とは「催眠によって幸福を感じる行動を常に反復する人間を世界中に量産し必要になれば捕獲できる環境」を指すのでしょう。闇菓子を持続可能に生産するためには、材料である人間も生産する必要がありますが、これも洗脳で子作りさせるんですかね?やってることがR18の同人誌じゃないか?
また素体グラニュートを見てリゼルが驚いている描写がありましたが、このグラニュートもかなりの重要人物なのかもしれません。大統領との権力争いに参加している時点で有名人なのは間違いないでしょうが、その上でリゼルと深い親交があった人物である可能性も若干はありそうです。
そして変身者の見た目は酸賀さんですが、これ酸賀さんである必要ありますかね?確かに絆斗は動揺してましたし、次週では絆斗の内面的な葛藤が描かれるようなので、関連する人物という意味では適任かもしれません。
でも個人的に酸賀さんは自身の子供と重ねた絆斗に固執した上で野望と研究を打ち砕かれた末路が美しい退場であると感じていたため、今更に復活しても蛇足な印象はどうしても受けてしまいます。もちろん絆斗を掘り下げるシナリオ自体に異議はないのですが、それなら「ライター師匠」の方面から描いて欲しかったというのが本音ではあります。
ていうかまだランゴ・ニエルブ・リゼル・ジープ・大統領と敵は多く残されているのに、ビターガヴで尺を消費して本当に大丈夫なんですかね。
今後の展開
- 洗脳された絆斗。天使の絆斗と悪魔の絆斗で葛藤!
- ランゴの動向
- →大統領への復讐があるか?
- 駄菓子屋の店主とショウマの関係性
やはり一番気になるのはショウマと駄菓子屋です。駄菓子屋としてショウマを拒絶するのか、唯一の肉親として歓迎するのかは注目です。ショウマは親族を知ることが「怖い」と表現する描写がありましたが、これはショウマ自身が出自の関係から親族に受け入れてもらえないだろうという自尊心の低さから出た発言だと推測しています。
ショウマの自尊心が改善され他人に対して積極的に自己を開示できるようになった上でラスボス戦突入は美しい流れです。家族に後押しされて仲間に囲まれたショウマに対して、ラスボスとして対峙するのは果たして・・・。
ラスボス予想(41話時点)
- グロッタ
→今回で死亡。内面も描き切った感があるので復活は無いでしょう。- →OPからも消えました。完全に退場でしょう。
- ジープ
可能性としては中程度でしょうか。今後の強化も一応は示唆されましたし。個人的にジープの変身ポーズや目の光る描写から、明確に「ショウマとの対照」を意識している印象があるので「仲間に囲まれたショウマ」VS「全てを失った・拒絶されたジープ」の構図は美しくはあります。- →可能性は高まってきています。リゼルに対して以前よりも心を開いている描写があります。またランゴに対しても強い恨みは無く、歪んではいるものの兄弟としての愛情を示唆する発言があります。リゼルもランゴもみんな死んだ上でミミックキーだけが遺された孤独なジープというのは非常に悲惨な存在であると同時にショウマとの対比としてはやはり美しいです。
- ランゴ
- やはり最有力候補です。井上みちるを起点にショウマの家族に関する掘り下げと並行してランゴが想うストマック家という家族についても描れそうです。そもそもランゴが何故ストマック社に拘るのか。その背景に強い家族愛があるのであれば、ショウマとの対比としてはバッチリです。ここで復活したということは塚本高史さんのスケジュールも抑えてるだろうし、よっぽどのことがなければラスボス確定でしょう。
- →41話では特に動きなし。次週以降の動向に注目です。
- 大統領
- 中から高。あまり物語に関与してこないし、いきなりラスボスに昇格するには唐突な印象を受けそうです。ただし今回ニエルブに対して「ランゴが使用したラキア由来の毒素開発を指示した」ことが伏線である可能性があります。個人的には「財団X」のように最後まで倒されずに裏で暗躍し続ける悪として、本編ラスボスになるとは言い切れないと考えています。
- また40話にてランゴが復活したので、彼の復讐によって死ぬ可能性も出てきました。
- リゼル
可能性は高いかもしれません。「財団X」を意識するとリゼルは「加頭」のポジションであり、「組織は潰せなかったけど有力者を倒した」とうえで「今後も戦いは続く!」という締めにするのであれば違和感は少ないです。リゼル自体も歪んだ感性や父との関係性、ジープへの愛情という掘り下げができそうなので、残り話数で魅力的なラスボスに仕上がるのではないかと期待しています。- →42話でジープとの関係性が少し進展したように感じます。リゼルの歪んだ感性については是非とも描いて欲しく、描き方によってはラスボスとしての格も十分にあるでしょう。ただ一方でリゼルがジープにとって徐々に大切な存在になりつつある雰囲気もあります。ジープは大切な存在を失う事で悲壮で魅力も増すキャラクターなので、最終的にはジープに愛情を伝えて先立つといった展開も見応えがありそうです。
- ニエルブ
彼に関しては正直予想が難しいです。ラスボスに昇格するには少なくとも人間界で直接的に大きな悪事を行い、ショウマ達が明確に敵対する動機が必要ですが、ニエルブに関しては陰で暗躍するに留まっています。黒ガヴや他の研究が上手くいき、その研究成果として暴れる可能性もありますが、闇菓子や家族愛というテーマからは離れる気がするし・・・。個人的には別のラスボス候補に殺される展開ではないかと予想しています。- →41話でビターガヴと共にライダー達との戦いに登場しました。毒属性の能力を有することが判明し、その上で「僕の能力なんてランゴ兄さんと比べたら・・・」という発言がありました。中々怪人態にならないあたり、やはり別の怪人に殺される展開が有力ですが普通に絆斗かラキア辺りに倒される展開もありそうです。何れにせよ「ランゴに対するコンプレックス」のようなニエルブ自身の内面を描いたらアッサリと退場しそうな雰囲気ではあり、ラスボス化は想像し難いです。
- ショウマの父
- 「駄菓子屋の店主がショウマの父であり、そのままラスボスになるのではないか」と予想していましたが41話の展開やランゴ復活を考えると可能性は低そうですね。ショウマの父はあくまでもランゴの回想にて、彼をラスボスとして魅力的なキャラに印象付けるための描写に留まりそうです。以前として死因不明なのは気になりますが・・・。
まとめ
またまたビターガヴが登場し変身者も操り人形と化した酸賀さんという展開で、物語としては少々寄り道気味な印象でしょうか。作品自体がもう終盤で残りの話数も少ないだけに、今更そんな展開を描く余裕があるのか若干心配ではあります。ただ本筋自体も完全に停滞している訳ではなく、次回はランゴも何かしらの行動を起こすことが示唆されていますし、ジープもラスボスの匂いを感じさせる雰囲気もあったりで予想は困難を極めています。リゼルも魅力的だし。
ただ今更に酸賀さんを登場させるんだったら「ショウマ父」や「人間態ラキアの実弟」「幸果さんの過去」といった更に魅力的なコンテンツが考えられるだけに歯痒い気持ちはあります。ただ逆にそれらのコンテンツは本編ではなく劇場版やVシネで丁寧に描かれるかもしれないし、何よりその余力を残せるほどにガヴの世界観が魅力的である証左なのかもしれません。
次回予告では天使の絆斗と悪魔の絆斗が登場するカオスな映像が流れましたが、こちらも楽しみです。
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