
出典:ガンバライジング公式様
総合戦闘力

スペック
サウザー | |
パンチの威力 | 42.4t |
キック威力 | 86.5t |
ジャンプの高さ | 58.1m |
100m走のタイム | 1.8秒 |
引用:テレビ朝日公式
基本情報
『仮面ライダーゼロワン』に登場した、ある意味「作品の顔」とも言える存在のライダーです。Aiロボット製造会社の社長が今作の主人公ですが、それと対比された「もう一人の社長」として物語中盤~終盤までの敵を務めた存在となります。
『ゼロワン』という作品は「神展開」と「クソ展開」の落差が、桐生戦兎もビックリの垂直落下っぷりであり、これらがお互いに相殺された結果「凡作」とする評価に落ち着きがちですが、このクソ展開を見事に象徴し、作品におけるヘイトを一身に受け止めた男がこのサウザーです。
一言で表現すると「パワハラ社長」なんですよね、それも結構生々しい感じの。特撮らしい「怒鳴り声」で威嚇するタイプではなくて、相手の弱みに漬け込んでネチネチと精神を追い詰めていくような「モラハラ」な気質も兼ねているタイプでしょうか。
例えば他人の記憶を改竄して手駒扱い、部下にチップを入れて逆えなくして道具扱い、主人公の会社を買収して人間に奉仕するAiであっても全て廃棄しようとする、会社の経費で全身脱毛をするetc…といった具合に数え切れない程の悪事を働いた上に、これを第10話~第38話まで永遠に見せつけてきた訳ですから、流石にこれはヘイトを買っても仕方がありません。
極め付けは「Aiに人間の悪意を学習させた」張本人であり、作品における諸悪の根源であることです。しかもAiロボットの悪意を世間に自ら示すことで、Aiロボットに代わる自社製品を売り出そうと画策します。
さらに終盤では、その商品すらもハッキングされて危険なシロモノになった訳ですが、これを誠意をもって回収するでもなく「新たな兵器の販売」によって旧製品の問題を煙に撒きつつ利益を挙げようとする暴挙に出ており、何かとセコいです。
サウザーはどのように描くべきだったのか
サウザーの悪事は上記でも表し切れないほどに膨大でタチが悪いものですが、ぶっちゃけもっとヤバい悪役は歴代シリーズを俯瞰すると多数存在する訳です。加えてサウザーにも「1000%おじさん」という愛称が付けられるほどにはアイデンティティがある訳で、親しみもバッチリです。
そんな彼が「作品の戦犯」と言わんばかりに批判される最大の要因として挙げられるのが「お仕事5番勝負編」です。これは華道・不動産営業・裁判・消防士・選挙の分野に長けたAiロボットと人間が勝負することで優劣をつけ、5番勝負の結果によって会社の買収(実質的にAiの廃棄処分)が決まるという内容でした。
この5番勝負が第17話~第29話まで続いたにも関わらず、結局主人公サイドが負ける展開になったのが「視聴者的に厳しかった」とする意見が多く見られます。「お仕事勝負は3つにして5話程度でまとめるべき」という声も大きく、確かにリアルタイムでは実に3ヶ月前後も「Aiと人間の実力比べに外野が妨害してくる」展開を延々と見せられるのはキツかったかもしれません。
ただこの5番勝負を改めて見返したのですが、個人的に内容自体は決して悪くないと思うんですよね。確かに毎回似たような形式で妨害が入るのはストレスですが「Aiが普及した世界観」を描く上で「Aiに対する人間の期待と焦燥感」を表現した良い題材だなと感心しました。ただしチェケラ、テメェはダメだ。
仮に「サウザーへの悪評=5番勝負へのストレス」の側面が強いのであれば、それは実質的に「チェケラへの憎悪」だと思うんですよね。普通に1~4番までは良い話だもん。5番の謎ヒステリック欠陥Ai演説が一気に後味を悪くしたのであって、むしろサウザーは当時の敵役として「チェケラへのヘイトも引き受けた」と言える側面が結構あると思っています。
では、私がサウザーに対してヘイトを抱かなかったかと言うと、答えはNoです。ここからが問題で彼の悪事は5番勝負以降も更に2ヶ月ほど続きます。これが本当にクドくてですねぇ。というのも、晴れて企業買収に成功し主人公の社長席を奪ったサウザーですが、この時点で既に戦闘面では主人公に敗北済みなんですよね。加えて買収した以降も他ライダーにひたすらにボコられる始末。
別に良いんですよ、イヤな奴が社長として君臨する事自体は。でもそれは強さが伴うから許されるのであって「何度も嫌がらせをしては負けまくる社長」というのはもう「スネ夫みたいな単なるイヤな奴」に過ぎないのであって、この展開がまた延々と繰り返されたのが本当に厳しかった…。
実に2パターンの展開をサウザーが繰り返す作劇が半年弱も繰り返され、その上で卑劣な性格まで見せ付けられてしまうと、流石の私でも「アークによる支配」は避けられず暫くはアズちゃんと同棲しておりました。
これを常盤SOUGOたる私が修正を加えるのであれば以下のようにします。
- お仕事5番勝負は4番までは本編と同様で良い、ただしメタクラは温存。
- 5番目のチェケラをまともなキャラにチェンジ。正々堂々と競わせる。ここでメタクラ初陣。
- メタクラでサウザーを撃破。一方で政治勝負では人間が勝利。
- 或人はサウザーを認めた上で自発的に会社を託す。
- 或人は飛電製作所で経験を積む段階へ。
- サウザーは或人に託された想いに葛藤しつつ、過去の罪(不破さんチップ等)と向き合う。
- 以後は不破さんや刃さん、アーク関連を丁寧に描きつつ本編同様の終盤に繋げる。
お仕事勝負序盤は人間による不正が際立つ内容でしたが、これと対比させる形で5番目は真剣勝負として描きます。そこに妨害を試みるサウザーをメタクラで撃退。38話に登場した「さうざー」を登場させて改心させる。加えて「不正をしなくても人間が勝利できた」という事実を与えて「お互いにもう一度再出発しよう」という着地点に持っていきます。
ゼロワンもサウザーも目指すのは「人類とAiの共存」だけど、それぞれが別の場所で成すべき事をするという展開で30話以降の新章を描きます。ゼロワンが「Aiを人類に歩み寄らせる」なら、サウザーは「人類がAiに歩み寄る」ために奔走するキャラとして対比させたいです。
当然、サウザーの深い罪は消えませんし、他ライダーに敗北する展開はあって良いと思います。最終的にどうしようもなくなって社長の座をゼロワンに返還する展開も踏襲で良いでしょう。大事なのは「小物でしつこい悪役」ではなく「犯した罪と置かれた立場のギャップに葛藤する大企業を背負った社長」としての描き方ですので。
展開としては重くなるでしょうが、持ち味の1000%キャラで上手く中和できるでしょう。
強さ解説
まず第一に言えるのは「単純に基礎スペックが高い」事であり、歴代で見比べても強キャラに該当することは間違いありません。加えて『ゼロワン』作品世界においては他ライダーの能力を吸収・転用する事が可能であり、テレビ本編で出しゃばりまくっただけある強さではあります。
シャイニングホッパーより優秀な予測演算装置が搭載されており、敵の動きを先読みした戦闘も可能です。高い基礎スペックに先読みも可能となれば中々に優秀ではあります。
そして描写的に彼の強さとして最も目立ったのは「専用武器による能力吸収」です。劇中で確認されるだけでも、サソリ・ファルコン・ハチという「ランペイジバルカンの必需セット」はサウザーも使用可能であると判明しているし、更にシャイニングアサルトホッパーのお手軽ガードも搭載されますから器用な性能です。
基本的に強いことは間違いありませんが「能力吸収が可能な同作品の敵と戦う場合」と「能力吸収が不可能と思われる他作品の敵と戦う場合」では強さが大きくブレそうです。既に獲得済みの能力でも様々な属性攻撃が可能で充分な汎用性ですが、未知の敵と戦うシチュエーションで能力吸収が封じられてしまうのは少し痛いです。
そして仮に吸収可能な同作品の敵であっても「格上過ぎると逆流が発生しデータが抜き取られる」「吸収に必要な専用武器を失うと一気に弱体化」するといった粗が目立ちます。前者は性能の中途半端さ、後者は武器依存の強さで本体のスペックではない事を裏付けます。
実際に物語後半は「ボコられて傷だらけのスーツ」のサウザーがお決まりのパターンになっていた感もあり、印象として微妙です。特殊性の強いメタルクラスターに敗北するのは仕方ないにしても、自身と同じ「他ライダー能力てんこ盛り」であって予測演算等を持たないランペイジバルカンに全戦完敗を喫しているのは厳しいでしょうか。
要するに「色々と能力自体は扱えるけど武器依存で効果も中途半端だから格上相手には通用しない」という性能でしょう。ただし基礎スペックの水準の高さを加味すると「格下相手には安定して勝てる」のも事実であり、本編における「ひたすらボコっていた時期」と「ひたすらボコられていた時期」が極端に別れているのを裏付けていると思います。
うっかり変身した場合の戦闘マニュアル
・敵は一般的な怪人(シリーズ序盤の敵くらいの強さ)で、変身した時点で対峙している想定。
- アサルトホッパーのお手軽ガードを展開、身の安全を確保。
- フレイミングタイガーの能力で煙を発生させ目眩し。
- 隙をついてシューティングウルフの能力で敵の四肢を拘束。
- スティングスコーピオンの能力で敵の急所を貫通。
- ライオンの能力でガトリングガンを生成、虫の息となった敵にトドメを刺す。
①のガードは便利ですが割と破られがちなので勝負の展開は急いだほうが良いです。③~④のコンボが最重要で「拘束した敵に貫通攻撃」はシンプルに殺傷能力を期待できます。可能な限り何度も繰り返し刺しましょう。
有利な敵
仮面ライダーフォーゼ(コズミックステイツ)
宇宙の能力を宿したライダーで40種前後の攻撃手段を持つフォーゼの最強フォームですが「仲間との絆」が必須要件であり、これが揺らいでしまうと変身が解除されてしまいます。サウザーは社長としての能力やザイアスペック等で「人間の煽動」を得意としており、組織の支配に関してはかなりの実力者です。
1000%「私が新たに就任した校長の天津です。早速ですが校名を『サウザー高等学校』に改名します」
ライダー部「えぇ!?」
1000%「私が来たからには偏差値1000の高校を目指します、勉学に勤しむように。」
賢吾「コイツは何を言っているんだ?」
1000%「簡単ですよ、受験ではこの『ザイアスペック』を装着して…」
弦太朗「それはズルじゃねぇか?」
賢吾「替え玉受験より悪辣だな」
弦太朗「そうはさせねぇ!あれ!?コズミックが起動しねぇ!」
JK「これで東大出身の大手メディア記者になれるっす!」
1000%「どうやら私が校長として認められつつあるようだねぇ」
元校長「フザケルナァ!!( *`ω´)」
仮面ライダー斬月(メロンアームズ)
大企業の主任として個人プレーは有能ですが、とにかく人を見る目が無い斬月です。例えば経営陣がサウザーと癒着して会社全体がザイアスペックに依存し様子がおかしくなっても直ぐには気付けない鈍感さがあります。
サウザーも妙に口が上手く、例えば「ZAIA製品が人類存続に役立つ」として斬月を口車に乗せてしまう事も出来そうです。「斬月はそんなにアホじゃないだろ」と言いたいですが、彼は自身の右腕とも言える研究者や実の弟の悪事を感知出来ず「気付いた時には手遅れだった」場面が非常に目立ちます。
やはり会社ごと乗っ取られて一気に斬月が追い込まれる展開になってしまいそうです。
不利な敵
仮面ライダーストロンガー(チャージアップ)
そもそものスペックや能力がクソ強いストロンガーですが「1分だけ強さを100倍にする」強化フォームが存在します。強化倍率100倍は「元の9900%アップ」と捉える事ができ流石に脳筋すぎます。1000%に固執するサウザーの心を真っ向からへし折る数値であり、まあマトモに戦ってもシンプルにストロンガーがスペック・能力ともに勝つでしょう。
仮面ライダーマルス
金融庁が誇る最強のライダーです。片岡愛之助が変身します。一方のサウザーは社長としての悪事が1800件を越えており「架空取引や脱税」が含まれている事を考慮すると「株価に対する不正」も行っていた可能性があります。
抜き打ちでガサ入れに訪れた愛之助と1000%社長による、金を懸けた金ライダーによるバトルが勃発しそうですが、変身前の「玉潰し」でサウザーは白状せざるを得ず、決着はつきそうです。タイミングによっては国税庁から来る場合もあるので、サウザーとしては厳しい相手でしょう。
ベストパートナー
仮面ライダーコーカサス
コーカサスオオカブトをモチーフにしている、という非常に分かりやすい共通点を持っています。その上で細かい共通点も多く「変身者が白い衣装でナルシスト」「己の美学を持っているが追い込まれると自己中心的な性格が露呈」し、性格面は両者ともにフリーザ(ドラゴンボール)を参考にしているため非常に近しい存在です。
「そんな性格同士の奴らが協力出来るのか」と疑問に感じますが、婚活アドバイザーの”縁結びマッチ”氏曰く「そもそもマッチングは絶望的」なので、せめて似たもの同士でお互いの個人プレーを邪魔しないように祈るしかありません。
仮面ライダーバース(ノブナガ)
現代に蘇った織田信長ですが、圧倒的な学習能力と支配力で会社を乗っ取り経営を立て直します。彼は欲深い人間を好みますし「ザイアスペック」も躊躇なく使用するタイプでしょうから、サウザーに対して一旦は利用価値を見出せるでしょう。
サウザーにとっても「戦国武将が自社製品を使用する」というのは貴重すぎるサンプルであり逃す手はありません。お互いに思惑を読み合うので心を許せる仲にはならないでしょうが、利害の一致という観点では協力しやすい相手と言えるでしょう。
強い?弱い?
高水準の基礎スペックに様々な攻撃手段を有するライダーで「格下相手に隙を見せて敗北する」可能性は非常に低いキャラだと思います。その一方でそれぞれの能力の最大値は飛び抜けておらず、「格上相手に勝ち筋を見出す」可能性は期待し難いのも否定できません。
一概に器用貧乏と言ってしまうには強過ぎるのですが、オールマイティというには本編後半の惨敗ラッシュが悪目立ちするし…。ただこれは『ゼロワン』作品内での強さインフレは凄まじ過ぎたのも要因として大きく、歴代総合で考えたら上位圏に位置するのは間違いないです。
全体的にバランス良く強いタイプであり、同水準の強さと考えられる「仮面ライダー迅」とは少し向きが異なる強さでしょうか。ただしサウザーの強さは専用武器に依存する側面を考慮すると、若干脆さを感じるのも事実です。
「基本的には安定した実力を発揮できる強キャラ」だが「武器を失うと一気に没個性化」「多様な能力も格上には完封される」を踏まえると単純に強い部類のライダーといった評価が着地点になると個人的には思いました。
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